「今の仕事辞めて公務員目指す!」という人に現役公務員が言っておきたいことって?
現在の大学3年生を対象とした企業の新卒採用が今年3月、本格的にスタートします。すでに説明会やセミナーを開催している企業も少なくなく、就活市場に賑わいをもたらしています。一方、大学生の中にはこうした民間企業を目指さず、公務員試験の勉強に取り組んでいる人も少なくないでしょう。
未来が読めない時代だからこそ、公務員という職業には人気があると言われます。その試験倍率は10倍や20倍をこえることも珍しくありません。だからこそ、学生だけではなく社会人のなかにも転職して公務員を目指す人も少なくないといいます。彼らが言う「今の会社をやめて公務員になる!」というセリフはもはや口癖のようです。
そこで今回は、北陸地方某所に勤める市役所職員のAさん(29才) に、脱サラして公務員になりたい人向けのアドバイスを聞いてみました。
■別に公務員はヒマではない
「市役所で働いていますが、そこまでヒマなわけではありません。『ラクだから』という理由で公務員になるとしたら、その忙しさにびっくりするかもしれません。最近では週末に市民との交流イベントもあり、休日も仕事に出るケースが少なくないので、常にカレンダー通りに休みというわけではありません」(Aさん)
■Uターン就職の場合、生活は一変する
「私の場合、東京の民間企業をやめて地元の市役所勤務になったのですが、飲みに出歩くことはまったくなくなりましたね。基本的に車移動なので『今夜一杯どう?』という軽い誘いは一切なくなるんです」(同上)
■仕事で知り合う人が減ることもある
「昔は都内で営業マンをしていました。人と会う機会や知り合う人数は圧倒的に営業マンが上でしたね。公務員になってからは新しい出会いは減りました。ただ、これは当然部署や仕事内容によるので一般化できませんが…」(同上)
■最初は給与は低い
「給与が安定しているからという理由で入った公務員ですが、給与体型を見ると最初は民間企業よりも低いことはザラです。経済力は一旦落ちますので、それを受け入れる人しか公務員になってはいけないと思います。何より本音を言えば『定時であがれそうだから』とか『給与が安定しているから』という理由だけで公務員になると、想像していなかった仕事が入ってくるので大変だと思います」(同上)
もう一度検討を!
このように、Aさんのコメントはどれも世間の公務員に対する美化されたイメージに修正を加えるものでした。公務員試験を受ける際は、その自治体の仕事内容をしっかり把握し、組織に入っても問題のないような振る舞いを心がけるべきなのかもしれません。
(文/しらべぇ編集部)