【税理士が解説】増税で相続税はもう他人事じゃなくなった! 「物納」って手もある?
今年に入り、相続税が改正され、税率が上がることになりました。しかし、ほとんどの方にとって、相続税とは馴染みの薄いものではないでしょうか。実際、しらべぇ編集部の調査でも、「相続税の支払いに困った経験がある」という人はわずか0.7%と、「一部の富裕層だけが気にしていればいいこと」だったのです。
しかし増税によって、相続税は突如、我々庶民にとって関係のないものではなくなったと言われています。そう、もう他人ごとではないのです。
実際に「困った経験がある」という方に、体験談を聞いてみると
「支払うお金がなくて、銀行で借金をしてなんとか支払った」(60代男性)
「兄弟三人 大喧嘩」(40代男性)
「父が亡くなった後に母が全部相続し、その2年後に母が亡くなったので一人っ子の私が全部相続。ほとんど税金にとられ現金はほとんどなかった」(50代女性)
と、数々の恐ろしいエピソードが出てきました。明日はあなたの身にこういう事態が降りかかるのかもしれないのです。
ところで相続税は、「物納」が認められていることをご存知でしょうか? お金の代わりに「物納」を活用すれば、支払いに困ってしまった時にも乗りきれるのでしょうか? 税理士の松嶋洋先生に詳しく聞いてみました。
物納が認められる条件はコレだ!
「物納は『延納によっても金銭で納付することが困難であると認められる場合に、納税者からの申請によって、その納付が困難な金額を限度として認められる』制度です」
これは、ざっくり言うと「一括での支払いが難しい時は、分割払いが認められるが、それでもお金で支払うのが困難な場合のみ、『物納』を認める」ということ。しかし果たして「延納」って、そうそう認められるものなのでしょうか?
「相当難しいですが、認められたとしても納税の期限を延長することになりますので、その分高い利息(「利子税」と言います)を合わせて国に納税しなければなりません」
高い利息! これは大きなデメリットになりそうですね…。
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「物納」可能なものリストがコレだ!
(1) 国債と地方債
(2) 不動産や船舶
(3) 社債や株式など所定の有価証券
(4) 動産
「上記の4種類の財産を納税者が自由に選んで物納することはできません」
(1)から順番に、優先的に収めなければならないのだそうです!
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「物はNo!」略して「物No!」
「このように、物納は非常にハードルが大きく、かつ非常に手続きが複雑なものです。このため、物納は『物はNo!』などと風刺されることも多々あります」
最後にまさかのダジャレが飛び出しましたが、「物納」の難しさを的確に表しています。やっぱり、相続税は普通に支払うしかなさそうですね。本当に厳しい!
「今年からは、『死ねない時代』が到来したのかもしれません」
なんということでしょう…!
【調査概要】
方法:インターネットリサーチ「Qzoo」
調査期間:2015年1月16日(金)~2015年1月18日(日)
対象:全国20代~60代 男女計1500名