【鹿児島出汁グルメ】出汁加減が難しいカレーうどん かつお節王国の絶品店とは?
こんにちは。かつお節生産量日本一の鹿児島県枕崎市で、かつお節屋を営んでおります「出汁男」こと中原晋司です。
今回も、鹿児島の絶品出汁グルメをご紹介します。テーマは「カレーうどん」! なんでもないように見えますが、実はこの「カレーうどん」、出汁加減がとても難しいのです。
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■「カレー」と「出汁」を共存させる難しさ
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うどんには、「かつお」や「昆布」など多くの出汁素材が使われます。関東風は醤油味が強く濃い色、そして関西風は昆布味が強く薄い色になります。
鹿児島や福岡など九州エリアは関西風のうどんが多く、讃岐うどんに比べたらコシが弱めの麺を優しく繊細な出汁が包み込んで、出汁の旨味を楽しむことができます。
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■カレーが一定以上混じると、「出汁」の繊細さが吹き飛ぶ
カレーうどんの難しさは、出汁とカレーのバランス。とくに熟成されたかつお節である「本枯れ節」は、上品な香りや旨味はあるものの、パンチが効かないため、スパイシーなカレーの味と香りに負けてしまいます。
それに負けないためには、かつお節の中でも香りの強い燻されたての「荒節」や、サバ節・宗田節などのかつお節以外の「雑節」と呼ばれる節、イリコなどを用いて香りやコクをカバーする方法があります。
ただし、これらを入れすぎると、今度はコクがありすぎるくどい味になってしまいます。
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■このカレーうどんが絶妙!
この出汁加減を絶妙にコントロールしているのが、かつお節王国・枕崎市にある「どんどん」といううどん屋さん。
つゆを口にすると、手打ちのちぢれ麺にスパイシーなカレー風味がしっかり絡みついて来るのですが、その後かつお節、昆布、しいたけなどを使用した出汁の味が優しく舌に残ってきます。
野球に例えるとカレーがピッチャー(サイン通りに麺に絡みつく変化球)、出汁がキャッチャー(優しく返球)という名バッテリーを形成しているのです。
主役はカレーでありつつも、出汁が名脇役としてカレーを引き立てているバランスがとても絶妙です。
「どんどん」ではカレーうどん以外でも出汁自慢のうどん、そばを食べることができます。
枕崎の街中ではなく、国道225号線、桜山小学校の近くで周りが田んぼに囲まれたのどかな所にあり、一見、民家と間違えそうな場所ですが、「どんどん」の看板が目印です。
「おだしのふるさと」枕崎で出汁加減が絶妙なカレーうどんを、是非食べに来てください。
「お食事処 どんどん」
鹿児島県枕崎市桜山町127
電話番号 0993-72-6988
(文/しらべぇ編集部・中原晋司)