和服がNGの地域も!? 知らないとコワイ「運転に関係する法令」 【法律コラム】
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皆さんは、自動車の運転免許を取得していますか? また、免許を取得している方は、日常的に車の運転をしますか? ちなみに筆者はあまり運転をしないため、輝かしい「ゴールド免許」を持っています(苦笑)。
さて、今回は、「自動車の運転免許」にまつわる興味深いデータとともに、「運転」をする際に注意しておきたいことや、関連する「道路交通法」を始めとした法律、自治体の条例などをご紹介していきます。
意外と知らないことがあってびっくりするかもしれませんよ?
1. あなたは運転免許を取得していますか?
持っている:82.6%
免許をお持ちの方はやはりかなり多いですね。免許をお持ちの方にさらに聞いてみました。
2.あなたは日常的に運転しますか?(週1回以上)
日常的に運転していらっしゃらない方は、ちょっとした運転マナーや「道路交通法」 などの内容も忘れかけてしまっている可能性もありますよね。実は、筆者もその一人です(苦笑)。交通事件で扱う範囲なら詳しいのですが・・・。
さて、今回は、運転をする方もしない方も絶対知っているはずの「初級編」から、ちょっとマニアック? な自治体の運転に関する「条例」をご紹介する「上級編」まで3つにわけてご紹介します。では、まず基本中の「き」から確認していきましょう。
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初級編:「スピード違反」!!もちろんダメですよ!!
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先日、速度違反自動監視装置(オービス)の反応を妨害するための機器を販売したとして、機器を販売した男性が電波法違反(不法無線局開設幇助)の疑いで逮捕されたというニュース がありましたね。
目的地に急がないと間に合わないようなときは、心なしかスピードが速くなってしまう方もいるかもしれません。
あるいは、交通量が少なくて、見通しのよい幹線道路や高速道路などでは、別に急いでなくてもついついスピードを出してしまう方もいるかもしれません。運転初心者の筆者にとっては、とても怖い存在(苦笑)。
でも、安全第一で、まかり間違っても、「オービス」を妨害する機器を使って運転するなど絶対にしないでくださいね。
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中級編:天気は大雨!水たまり通過時に歩行者に「泥をはねてしまった」あなたは・・・
天気の良い日はあまり車を使用しないけど、あまりの土砂降りdayで「濡れるのが嫌だから、今日は車で移動しよう!」という方もいるかもしれませんね。雨の日は、ついつい車を使いがち。
でも、気をつけてください! 道路交通法には、次のような条文があるんです。
『ぬかるみ又は水たまりを通行するときは、泥よけ器をつけ、又は徐行する等して、泥土、汚水等を飛散させて他人に迷惑を及ぼすことがないようにすること』(道路交通法71条1号)
自分が歩行者や自転車に乗っている立場になったときのことを考えるとよくわかりますね。
大雨のとき、水たまりがある横を歩いていたら、ものすごい勢いで自動車が横を通り過ぎる・・・。雨水や泥水がはねて、自分の服が台無しに・・・「なんてことだ!」。
このような経験がある方は、多いかもしれませんね。筆者も「訴えてやる!」と何度思ったことか・・・。
実は、泥などを実際にかけてしまった場合だけでなく、泥などを人がいる方向に対して飛ばして、人に直接かからなかったとしても、その事実により歩行者などに迷惑を感じさせたような場合には、違反となる可能性があるので要注意。
違反者は、なんと「5万円以下の罰金」となります。みなさん、悪天候時の運転は、「泥はね」にも気をつけましょうね。
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上級編:地域によりバラバラ?「履物」や「服装」に関するきまりをご存じですか?
最後は上級編! 知っている方はいるかな。。。
「道路交通法」71条6号では、『道路又は交通の状況により、公安委員会が道路における危険を防止し、その他交通の安全を図るため必要と認めて定めた事項』を「運転者の遵守事項」として掲げています。
つまり、法律が都道府県ごとに「運転者の遵守事項」を定めることを各都道府県の公安委員会に委ねているわけです。
例えば、「履物」に関するルールについては、
『木製サンダル、げた等運転操作に支障を及ぼすおそれのあるはき物をはいて車両等(軽車両を除く。)を運転しないこと』(東京都道路交通規則8条2号)
と、具体的に「木製サンダル」や「げた」での運転の禁止を定めています。
また、大阪府でも、
『げた又は運転をあやまるおそれのあるスリッパ等をはいて、車両(軽車両を除く)を運転しないこと』(大阪府道路交通規則13条4号)
と、「(運転をあやまるおそれのある)スリッパ」での運転を禁じています。なるほど、スリッパも・・・。
そして、「服装」に関する規定として岩手県では、
『運転の妨げとなるような服装をし、又は下駄その他運転の妨げとなるような履物を履いて自動車又は原動機付自転車を運転しないこと』(岩手県道路交通法施行細則14条1号)
と定め、その運用については、「衣服の袖、裾等によって運転の障害となるような和服等を着用して運転することを禁止するものである」として、原則として「和服」での運転を禁じています。
和服がダメだったのですね。筆者の好きなうなじが・・・。
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■終わりに
恐らく、まだまだ皆さんが知らない法令があるかもしれませんね。
皆さんのお住まいの地域でも「これダメなのか」という意外なルールがあるかもしれません。これを機会に、再確認をしてみましょう!
(文/弁護士・佐藤大和)
【調査概要】
方法:インターネットリサーチ「Qzoo」
調査期間:2015年3月27日~2015年3月28日
対象:全国20代~60代男女計551名