やっぱり日本人は勤勉すぎ!海外とも比べた「祝日・有給」のお話【法律コラム】
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今年のゴールデンウイークも終わってしまいましたね。だんだんと気候的にも暑さが増し、湿度もあがるのがこれからのシーズン。
おまけに、5月中旬から、6月にかけては、祝日もなく、心も体もなんとなくジメジメ…。ちなみに、次の祝日は7月です(苦笑)。
そんなみな様に、頭の中だけでも、休日気分を味わっていただけたらと思い、今回は「国民の祝日」をテーマにコラムをお届けします。
「国民の祝日」とは、「国民の祝日に関する法律」の第2条に定められている祝日のことを指すわけなのですが、ちょっとここで質問。マインドソナーを使い調査をしてみました。
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Q.今年は「国民の祝日」が15日あります。すべてわかりますか?
個人的にはもっと低いと思っていました(笑)。意外に知っている人が多いですね。
さて、来年以降、国民の祝日が1日増えますが、ひとまず今年を基準に祝日すべてをご紹介しますと、
この、15日です。
そして「国民の祝日に関する法律」の第1条にはこう書かれています。
【国民の祝日に関する法律 第1条】
自由と平和を求めてやまない日本国民は、美しい風習を育てつつ、よりよき社会、より豊かな生活を築きあげるために、ここに国民こぞって祝い、感謝し、又は記念する日を定め、これを「国民の祝日」と名づける。
とっても素敵なことが書かれていますね。
祝日の意味をあまり考えず、なんとな~く「今日は祝日だ!やったー」と喜んでいる方もけっこう多いのではないでしょうか(笑)。
たとえば、5月5日はこどもの日。この日は、
こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する。
という日なのです。
「こどもの日」という名前がついていますが、こどもの成長を祝うだけでなく、母の役割の大きさに感謝する日でもあるということなんですね。
このように、祝日それぞれにちゃんとした意味があります。
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■来年からは「山の日」も登場
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国民の祝日に関する法律の一部を改正する法律が、昨年の5月30日に公布され、「山の日」が、国民の祝日として新たに設けられることになりました。
山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する日として制定された「山の日」は、8月11日。平成28年1月1日から施行され、これにより国民の祝日の日数は、年間16日となります。
日本は、世界各国と比べて「働き過ぎ」なんて言われることも多いですが、世界各国の「国民の祝日」の日数はどうなっているのでしょうか。
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■あれ?海外と比べると日本は祝日が多い…?
世界各国の2015年の祝祭日の日数をみてみますと、オーストラリアは9日。アメリカは10日。バカンスを謳歌している国民が多いイメージのあるフランスは11日。
日本と同じ日数(15日)なのは、ブラジルなどです。祝祭日の日数だけ比較して見てしまうと、「えっ?日本国民は、いうほど働いていないんじゃないか!」ってイメージを持ってしまいますよね。
それでも、日本国民が「働き過ぎ」といわれる理由は、その有休取得と消化率の問題が関係しているのです。
日本語サイト「エクスペディアジャパン」が、毎年世界数十各国を対象に行っている、有職の18歳以上の男女への「有給休暇」に関する調査によると…
画像はスクリーンショットです
有給休暇の日数は各国でバラつきはあるものの、有休の取得率は、調査対象国中ではだいぶ下です。一方、フランスやブラジルは、同調査では、100%の有休取得率という調査結果が出ています。
さらに、現状の有休消化日数に不満を持っている人の割合に関する調査では、日本人は51%に対して、ブラジル人は74%、そしてフランス人はなんと90%が不満をもっているという結果に。
こうしたデータには、国民性が現れるといいますが、やはり世界各国と比較すると、日本人は総じて「勤勉」といえるのかもしれませんね。
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■おわりに
有給休暇の消化率が低く、日本人はあまり効率よく休めていないのかもしれません(笑)。
だったらせめて、「国民の祝日」くらいは、祝日それぞれの意味を考えながら、ゆっくりと過ごしたいものですね。
(文/弁護士・佐藤大和)