【体力テスト結果で判明】8時間睡眠より「寝不足」の方がチカラは出る!?
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睡眠時間が少ないと、チカラが出ない、パフォーマンスが落ちる…そんなイメージになんとなく支配されている現代社会。
しかし、平均睡眠時間が4~5時間でも、仕事も遊びもバリバリ元気にこなしている人も中にはいる。
そこで文部科学省の平成25年度「体力・運動能力調査」データを使って、6歳から79歳までの男女の体力テスト結果から睡眠時間と運動能力の関係について調べてみることにした。
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■たくさん寝る人はドンくさいのか?
各種目の平均成績と睡眠時間別記録の平均を比較してみたのがこちら。
「10m障害物歩行」ではほとんど、睡眠時間の違いで記録の差は付かず、むしろ「50メートル走」では睡眠時間6時間以下の人の方が、8時間以上寝ている人よりも1.5秒もタイムが速いことが判明。
他にも、8時間以上睡眠グループは、睡眠6時間以下グループとの比較で、「ボール投げ」では4メートル以上投げられる距離が短かく、「上体起こし」出来た回数も3.6回あまり少ない。
たくさん寝ていたはずなのに!! 疑問の尽きない結果である。
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■むしろ寝すぎはチカラが湧かない!?
さらに注目なのは「握力」だ。
8時間以上も眠ればチカラみなぎっていそうだが、実態の記録は、わずか18キログラム。これに対して、睡眠時間6時間以下グループは33.66キログラムと倍近いパワーを発揮。
「前屈」や「反復横跳び」、「20メートルシャトルラン」など瞬発力から持久力を問われるものまで、ありとあらゆる種目で成績が振るわない睡眠8時間以上グループに対して、常に良い成績を叩きだす睡眠時間6時間以下グループ。
挙句の果てに「開眼片足立ち」では、平均を8秒近く下回るなど、8時間以上睡眠グループは、寝過ぎてバランス感覚までぼやけてしまったかの様な結果だ。
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■持久力も睡眠時間の差で違い出ず
最後に「持久走」や「6分間歩行」で比較しても、睡眠時間の差はほとんど成績に影響しなかった。
睡眠時間が6時間以下だろうと、体力や運動能力で著しく不利になるようなことは無いと分かったこの調査。
ここ一番の勝負時に、睡眠時間が足りなかったからと言って、ナーバスになる必要は無さそうだ。
かっこのサイトでは、種目ごとの成績詳細についてまとめているので、興味のある方はぜひチェックしてみて欲しい。
(文/かっこ株式会社・成田武雄)
■調査概要 文部科学省 平成25年度「体力・運動能力調査」の結果から、「1日の睡眠時間別体格測定・テストの結果」のデータを男女別・種目別・条件別に集計。 各種目で各条件の平均値を算出し可視化した。