雨が降ったら要注意!梅雨時期に現れるかもしれない雨怪獣列伝【出口博之のロック特撮】
こんにちは、白ポロ+眼鏡でおなじみのMONOBRIGHT、ベースの出口です。
6月も後半になりましたが、まだまだ梅雨真っ盛りです。雨模様の天気の日は少しすぐれない気分になってしまいます。そんな雨をなぜか呼び寄せてしまう「雨男」「雨女」の存在を信じますか?
私はかなり強力な雨男らしく、ライブやイベントなど、雨が降って欲しくないときにかぎって降らせてしまいます。偶然と言えばそうかもしれませんが、なんらかの特殊な力を持っているとしか思えない現象が何度も発生しているのです。
それもあって、雨の中から現れる怪獣には一方的な親近感を感じています。今回はそんな梅雨の時期に合わせて、雨の中から現れる怪獣ご紹介したいと思います。
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■自然界からの使者?人智を超えた台風怪獣
まず、最初にご紹介するのは「帰ってきたウルトラマン(1971年放送)」第28話「ウルトラ特攻大作戦」に登場した台風怪獣バリケーンです。
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クラゲに手足が生えたような珍妙な姿が特徴です。頭部の傘を高速回転させると強力な台風が発生して手がつけられません。クライマックスの暴風雨の中での戦いは、屈指の雨バトルシーンです。
台風を起こす、という点では厄介者扱いされてしまうかもしれませんが、バリケーンが登場するお話は「大気汚染」がテーマにあり、大気汚染のアンチテーゼの象徴として描かれています。
バリケーンは巨大な台風を発生させますが、それによりスモッグが吹き飛ばされて東京の空気がキレイになる。しかし、人類の脅威である怪獣は撃破しなければなりません。
環境破壊する人類に向けて、自然界からの警鐘がバリケーンだったのです。
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■ウルトラシリーズ史上最大の問題作として登場する、哀しい雨怪獣
続いても、「帰ってきたウルトラマン」から、第33話「怪獣使いと少年」に登場した巨大魚怪獣ムルチです。
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やや暗い水色の体表と、鮭によく似た顔が特徴。ムルチは豪雨の中から登場しますが、バリケーンの雨は自然界からの警鐘だったのに対し、こちらは「哀しさ、憎しみの象徴としての雨」になります。
第33話「怪獣使いと少年」のテーマは、「人種差別、迫害」といったかなり重いもの。豪雨の死闘の壮絶さは、悲壮感に支配されています。
この作品はウルトラシリーズ最大の問題作のひとつとして、今も社会学や民俗学など、学術的観点からも語られる作品ですので、ご視聴を強くおすすめします。
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■大波を操る脅威の双子怪獣
次は「ウルトラマンレオ」第1話、第2話に登場した双子怪獣ブラックギラス、レッドギラスです。
画像出典:Amazon(左:レッドギラス・右:ブラックギラス)
この怪獣の特徴は大波を発生させる光線を放つこと。この光線で陸地を沈没させて侵略してくるのです。
この能力は雨とは直接関係ないのですが、劇中では明らかに雨が降っているような演出がみられます。水際で侵略を阻止するため、ずぶ濡れで戦うシーンが印象的。
前述のバリケーンやムルチにも共通しますが、雨の中での戦いは全体的に暗いトーンになります。しかし、その暗さの中で戦うウルトラマンたちの活躍は、一筋の晴れ間の光のようにも見えるでしょう。
雨の戦いが印象的な理由は、この光を感じるからなのではないでしょうか。
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■イベントには来て欲しくない!ちょっと迷惑な雨怪獣
最後に、最近驚異的な力を見せる怪獣をご紹介します。雨季ウキ怪獣デグドンです
私の雨男の力があまりに強大すぎて、昨年バンドで開催した全国ツアー「雨季ウキウォッチング・ツアー」のグッズとして製作したTシャツに、オリジナル怪獣として登場しました。
モチーフは前述の双子怪獣ブラックギラス、レッドギラスが登場する「ウルトラマンレオ」第1話の名場面になります。
デグドンの力をいくつか紹介すると、
・大阪の野外フェスが前日突如発生した巨大台風が直撃のため、中止
・DJとして出演予定だったクラブイベント前日に、台風の進路が変わり交通機関がマヒし、会場入り断念
・出演した夏フェスが記録的なゲリラ豪雨のため、中断
・1月から2月にかけて開催した初の全国ツアーにて、7カ所中3カ所が大雪、4カ所で雨
・野外フェスにて、晴天にも関わらずMONOBRIGHTの時だけ雨
これでもまだまだ一部です。我ながらシャレにならない力だと思います。余談ですが、こちらのTシャツは円谷プロさんとのコラボ商品。こんなネタにも寛容な円谷プロさん、ありがとうございます。
これからの行楽シーズン、できれば降って欲しくない雨。私もできれば降らせたくはないのですが、特殊な力の前には仕方がない場合もあります。
もしみなさんの周りに雨男、雨女の方がいらっしゃる場合は、雨が降ってもこうやって笑い話にしてしまいましょう。
(文/MONOBRIGHT・出口博之)