【法律コラム】やっと廃止…「美容室で男性カットNG」のルールを振り返る
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みなさんは、頭髪のカットはどのようにされていますか? 美容室に行く人、理容室(床屋)に行く人もいれば、恋人や家族にカットしてもらったり、なかには自分でカットしている人もいますよね。
ちなみに、筆者は長いこと、美容室に通っていますが、男性のなかには、美容室に女性が多いことから、「美容室に通いづらい」という方もいるようです。
そこで、マインドソナーを使い254名の男性に聞いてみました。
1割ちょっとの男性の方は、リラックスできなかったことがあるようですね。ちなみに筆者は女性が多いと嬉しいのですが(笑)。
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■美容室で「男性カットのみ」は禁止だった!?
ところで、実は、これまで美容室で男性がカットのみをしてもらうことは禁止されていました。
これは、1978年に旧厚生省が出した通知で、「美容師が男性にカットのみのサービスを提供する」ことを禁じ、そのルールがずっと残っていたからです。
ちなみに、その旧厚生省の通知では、「理容師が女性にパーマをすること」も認めていませんでした。
筆者もニュースで取り上げられるまで、知らなく、何とも時代遅れのルールですね。
さて、こうしたこともあって、長い間「男性は理容室」「女性は美容室」という区分けみたいなものができ、もしかしたら、さきほどご紹介した男性の「美容室への通いづらさ」にもつながっていたのかも。
とはいえ、今では、美容室に通う男性の割合も多くなりましたけどね。
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■これからは性別でサービスを限定しない
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ただ、この独特のルールについて、7月17日に厚生労働省が見直し、ルールを緩和する内容の通知を出しました。
その新たな通知については、客の性別によってサービスを限定することなく、「美容師がカットを行うことは差し支えない」こと、また、「理容師がパーマを行うことは差し支えない」ことなどが明記され、これまでのルールは廃止されることになりました。
まぁ、時代に合わないルールでしたので、当然でしょう。
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■そもそも「理容」と「美容」の定義とは?
ところで、法律的に厳密にいえば、理容は「頭髪の刈込、顔そり等の方法により、容姿を整える」ことを指し、また美容は「パーマネントウエーブ、結髪、化粧等の方法により、容姿を美しくする」こととされています。
う~ん、何とも微妙な違いですが、男女の違いを意識した定義となっていますね(笑)。
美容室・理容室、双方ともに良さはありますが、今後はルールの廃止に伴い、サービスの質で差別化されていくため、私たちにとっては嬉しい話ですね。さて、筆者もそろそろ髪を切りに行こうかな。
(文/弁護士・佐藤大和)
【調査概要】
方法:アンケートサイト「マインドソナー」
調査期間: 2015/07/23– 2015/07/26
対象:全国10代~50代男性254人