【法律コラム】自転車の「押し歩き推進区間」って事故防止につながるの?
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自転車の「押し歩き推進区間」をご存知ですか? 自転車の通行は可能ではあるものの、「運転せずに押して歩いてください」とされている区間のことです。皆さんは知っていましたか? 筆者は知りませんでした。
さて、全国で初めて自転車の押し歩き推進区間の指定についての話を盛り込んだ「自転車の安全利用に関する条例」を施行した福岡市。
その中心部「天神」エリアの渡辺通りという通りの西側の歩道が、平成25年に実際に推進区間の指定を受けています。
ただ、この自転車の押し歩き区間の指定については、何も自転車の走行を規制しなくても、そもそも歩道の「自転車通行」の許可を取り消せば済む話ではないかといった声も上がっており、賛否がわかれているのです。
みなさんはこの「押し歩き推進区間」についてどう感じているのでしょうか? マインドソナーを使い聞いてみました。
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■半数以上は自転車通行禁止に反対
多くの人が自転車通行を禁止することには反対のようですね。まぁ、禁止したら、道を迂回するなど大変ですからね(汗)。
ちなみに、「押し歩き推進区間」のある福岡市は、平成26年には、自転車が関係する事故が4000件近く発生しています。これはかなり多いですね…。
先ほどご紹介した「自転車の安全利用に関する条例」が制定されて以降も、自転車が関係する事故の大幅な減少にはつながってはいなかったようです。
「押し歩き推進区間」においても、自転車走行を禁止しているにも関わらずそれを無視する人も一定数存在し、当初の思惑通りには機能していないというのが実態のようです。
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■全国初!自転車をセンサーで感知する実験を実施
「押し歩き推進区間」に指定されている福岡市の渡辺通りでは、先月(9月7日~10日)、福岡県警察本部交通部交通規制課が福岡市と共同で、全国初となる社会実験を行ないました。
その社会実験とは、「自転車安全利用システムの社会実験について(通称 押しチャリくん)」という名称で、走行中の自転車をレーザーセンサーで感知・判別し、自転車の利用者に対し、音声や電光掲示板で注意喚起をするという全国初の社会実験。
地元の警察や地域の関係者の方のなかにも、この実験に大きな期待を寄せている人もいるとのこと。今回の実験で効果があれば、全国にこうした取り組みが広がるかもしれません。
今後、自転車利用者のマナー向上や、事故の減少につながる試みになると良いですね。
(文/弁護士・佐藤大和)