保存食の代表「缶詰」を常備している人は8割!でも消費が落ち込む原因は?
保存食の代表である、便利な缶詰。その誕生エピソードをご存知だろうか。
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■ナポレオンから賞金12,000フラン
瓶の中に食べ物を入れて密封した後、加熱して長期間保存する技術は、1804年にフランス人のニコラ・アペール(Nicolas Appert)が発案した。
ニコラは、時の皇帝ナポレオンから賞金12,000フランを授与され、「瓶詰の祖」と言われている。ただし瓶ゆえに割れやすいのが欠点。現在、世界中で使われている金属の缶詰は、1910年にイギリスで発案されたもの。
日本で初めて缶詰が作られたのは1871年。その後、1877年に北海道石狩市に日本で初めての缶詰工場が建設され、10月10日に鮭缶の製造を開始したことから、この日が「缶詰の日」とされている。
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■1年に33缶食べている缶詰
しらべぇ編集部が、全国20~60代の男女1381名に「家に缶詰がある?」と尋ねたところ、79.5%の人が「ある」と答えた。
また日本缶詰びん詰レトルト食品協会の発表によると、日本人1人当たり年間33缶(1缶250グラム換算)食べているとのこと。
「そんなに食べてるかなぁ」と思う人もいるだろうが、33缶全部をキコキコと開けているわけではなく、飲食店などで材料として使う分も含まれている。
ただし日本における缶詰食品の生産量や消費量は、減少傾向にある。
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■欠点は重さと開けにくさ
技術の発達により、レトルトパック、ビニールパック、紙パックなどで、十分な気密性や丈夫さを保てるようになってきた。
そうなると生産者からは輸送コストで、消費者からは持ち運びの点で、重い缶詰を避けるようになってくる。さらにネックなのが開封の手間。去年の今ごろ、強引に缶詰を開けたツイートが話題になった。
え・・・最近の子は缶切り知らないの・・・ pic.twitter.com/pRzZubU6kc
— EMR(えみり) (@emiri) 2014, 10月 19
話題になると言うことは、まだまだ缶切りを知っている人が多いと考えられるものの、缶切りを見たこともない子供が増えているそうだ。
象印マホービンが今年5月に行った調査によると、首都圏在住の母親の内、子供(小学生)が缶切りで缶詰を開けることが「できる」と答えたのは20.7%、「できない」が19.5%、「やらせたことがない」が59.8%だった。
ちなみに20年前に行った同様の調査では、「できる」が50.7%、「できない」が23.3%、「やらせたことがない」が26.0%。缶詰そのものが、少しずつなじみの薄い商品になりつつあるようだ。
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■金属はリサイクル可能だが
こうした状況を反映してか、家に缶詰があると答えた人は、若い世代ほど少なくなっている。
ゴミとなることの多いレトルトパックやビニールパックよりも、資源を再利用できる点では缶詰が優れているのだが、時代の変化には敵わないようだ。
(文/しらべぇ編集部・県田勢)
【調査概要】
方法:インターネットリサーチ「Qzoo」
調査期間:2015年10月23日~2015年10月26日
対象:全国20代~60代の男女1,381名