神ラジオ「テレフォン人生相談」の加藤諦三先生の言葉が秀逸すぎる!
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もしも、なにかのきっかけで絶望の淵に立たされたら、または八方塞がりの状況に身も心も疲弊してしまったら…。
そんなとき、受話器を取る気力が残されていたなら、こんな駆け込み寺があるこということを是非覚えておいてほしい。ニッポン放送制作のラジオ番組『テレフォン人生相談』だ。
■名言の湧き出る泉、加藤諦三先生
1966年に始まった当番組は、実に半世紀に渡り、悩める相談者の駆け込み寺となっている。個性派ぞろいな回答者の中でも、この番組の真打ちとも言える『加藤諦三先生』を紹介したい。
早稲田大学名誉教授の社会学者で、心理学や精神医学にも造詣の深い加藤氏。著書は150冊以上にのぼり、生きることに疑問を抱いたことがある人なら、一度はその本を手にしているのではないだろうか。
彼の凄みは、悩みの根本に巣食う「問題の本質」を瞬時に見抜いてしまうところにある。
相続の相談をしているのに、いつの間に幼少期のトラウマを語らせられている相談者。彼らは「こんな話をするはずじゃなかった…」と戸惑いながらも、凝り固まった心をゆっくりと解いていく。番組の大きな見せ場である。
相談者の多くは、憑き物が落ちたようなカタルシスを迎え相談を終える。そしてリスナー一同溜飲を下げたところへ、加藤氏が締めの言葉を放つ。その締めの言葉はどれも、思わず背筋が伸びるような珠玉の名言揃いだ。
「やきもち・嫉妬は受身の人の攻撃性です」
「働きたくない気持ちは劣等感の症状です」
「誰かを人間のクズだと叫ぶ人は、誰か私を助けてと言っている」
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■2007年2月8日放送:伝説のブチ切れ相談者
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そんな加藤氏に本質を突かれ、見事なブチ切れっぷりをかました相談者がいる。通称『逆切れおばさん』だ。65歳の元教師の女性。彼女は加藤氏の質問に淡々と答えていく。
「子供は2人です。長男が30歳。引きこもりです」
引きこもりは、母親ならば悩んで当然の由々しき問題。しかし、この相談者は違った。長男は、彼女が高額で買ったマンションに引きこもり、ひとり暮らしをしているという。
そして相談内容は『自分がそのマンションを使いたいので、長男を追い出したい』というものだった。
しかし、思惑は外れ、自分の問題を指摘された彼女。「問題はあなたにあるのでは?」という加藤氏の言葉に逆上し「その上から目線が癇に障ります!なんとかしなさいよ!」と言い放つ。
さらに「知ったかぶりなんかしないで!」といきり立ち、最後は「もういいです!」と言ってガチャ切りしてしまうのだ。ツーツーという虚しい音に続き、締めに入った加藤氏のお言葉が秀逸であった。
「コミュニケーションできない人は、人間関係の距離感がありません」
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■元気で行こう、絶望するな!
本記事では稀有な回をご紹介したが、『テレフォン人生相談』は日々ドラマを生みだし、相談者との対話を通じてリスナーをも諭しつづけている。
思うところがあれば、ぜひ一度聴いてみてほしい。絶望するにはまだ早い! 加藤氏は問う。
「あなたが認めたくないものは何ですか? どんなに辛くとも、それを認めれば道はひらけます」
【テレフォン人生相談】
月~金曜日/11:00~11:19
放送局:ニッポン放送
(文/しらべぇ編集部・フクダかづこ)