オムライス発祥の地はどっち?東京・大阪で食べ比べてみた
子供から大人まで、幅広い人気のオムライス。しかし、その発祥の地をご存知だろうか? じつは、は2ヶ所が名乗りを上げており、しかも何かと張り合うことの多い東京と大阪なのだ。
どちらのお店も「元祖オムライス」が当時のまま食べられるということで、早速しらべぇ編集部で調査してみた。
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①大阪・西心斎橋「北極星」
1922年創業当初は「パンヤの食堂」という屋号で、洋食屋とパン屋を併設。先代は神戸屋パンの前身の神埼屋で働いてた経験もあり、パンの小売りもしていたそう。洋食が10銭で食べられるファミリーレストランのようなお店だったという。
現在は当時の本店からは移転し、1950年代に建て替えたすがたそのまま納得の昭和レトロな店内。お座敷でオムライスがいただける。
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■北極星のオムライス誕生秘話とは
1925年胃を痛めた常連さんが、オムレツと白いご飯ばかり食べていた。
「いつも同じものでは」とケチャプライスとオムレツで特製メニューを常連さんに向けてつくり、メニュー名を「オムレツとライスをくっつけたオムライス」と答えたという。
北極星のオムライスの脇には、生姜の酢漬け「ガリ」が付け合せに添えてある。
ふんわり焼かれた卵焼きに包まれたケチャップライスの具は、豚ひき肉と玉ねぎのシンプルなもの。卵とバターの味と、甘目のケチャプがとてもやさしい。突然の「ガリ」にも果敢にチャレンジすると不思議と合う。
このガリが、当時は目新しかった洋食と和食の架け橋になったのだろうか。歴史を感じる組み合わせだ。
【北極星 本店】
大阪市中央区西心斎橋2‐7‐27
平日11:30~22:00/土日祝11:00~22:00(LOは閉店30分前)
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②東京・銀座「煉瓦亭(レンガテイ)」は様々な洋食の発祥の地
明治時代から続く、1895年創業の煉瓦亭総本店。
「カツレツ」はトンカツの元祖、「カキフライ」「エビフライ」など様々な料理を生み出した日本の洋食界の老舗中の老舗である。赤いチェックのテーブルがノスタルジック。ウェイターさんもサロンを着こなしている。
もともと賄い料理だったメニューを、オムライスと名付けた煉瓦亭のオムライス。現在の姿とはちょっと違う形らしい…
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■元祖オムライスは卵に包まれていない?
付け合わせはガリではなく見慣れたパセリだが、見慣れていないオムライスだ。スペイン風オムレツの具がご飯になったものというべきか。全く卵に包まれていない。
あえて言うならば、TGK(卵かけごはん)を、オムレツの形に焼いたものだろうか。スプーンですくってみると中は半熟である。オムライスを想像して食べてみると…
塩味、合挽きミンチのコクと半熟の卵のまろやかな風味で、ケチャップオムライスとは全然違う食べ物だが美味しい!
ケチャップをつけると、普段のオムライスの味になり2度美味しい。具に入ったマッシュルームと、グリンピースが洋食感を出している。
煉瓦亭では、もともと賄いとして出していたメニューを見たお客さんのために作ったのがもとで「オムライス」は生まれたという。
煉瓦亭も北極星も、店員のための賄いをアレンジしたり、胃の悪いお客さんのために自然に作られた優しさのメニューであることは共通しているようだ。
【煉瓦亭】
東京都中央区銀座3-5-16
平日11:15~14:15/16:40~20:30
土日祝11:15~14:15/16:40~20:00
(取材・文/しらべぇ編集部・田村えま)