バンドやろうぜ!初心者にオススメ特撮曲3選【出口博之のロック特撮】
こんにちは、モノブライトのベース、出口です。先日、モノブライトのワンマンライブがありました。じつは私、楽器弾けるんです。
ライブをやっていなかった期間が半年ありました。その間、感覚が鈍らないようにベースを触ってはいましたが、いざライブとなれば本格的に特訓期間に入ります。
具体的にはバンド全体でのリハーサルの他に、特撮曲をひたすらコピーして弾きまくる、という特訓。これがなかなか面白く、楽器、主にベース初心者の方にもおすすめしたい練習方法であることに気付きました。
本記事では、思わず弾きたくなるベースラインの特撮曲を初心者の方に向けたガイド付でご紹介します。これを読めば、聴いているだけでは物足りなくなるはず!
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■入門編はこの曲
特撮楽曲の特徴は「わかりやすいメロディと歌詞」、そして「計算し尽くされたアレンジ」。それがもっともわかりやすく表現されている曲は、『超電子バイオマン』(1984年)のオープニング曲「超電子バイオマン」です。
ハードロックを基にしたアレンジで、重心が低く、どっしりとした力強い曲ですが、ホーンやストリングスなどの華やかな楽器が曲を盛り上げます。
ベースラインは音数も少なく、リズムも一定なので「これぞ入門編」といったアレンジ。
しかし、フレーズ的には単純なのですが「楽曲の低音とリズムを支える」という、ベースにしかできない重要な役割を感じることができる曲なので、弾けているようで実は全然弾けていないという場合もあります。
基本を押さえるという意味で、必ず練習しましょう。
*出口アドバイス:今日ベースを始めた方は、頑張り次第では3時間ほどで弾けるようになると思います。
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■腰にくるファンキーなベースを習得しよう
ベースという楽器には、楽曲をさまざまな角度から支える面白さがあります。言い換えると、楽曲を「こんな風にしたい」という演出ができる。
その演出のいちばんの醍醐味は「踊らせる」こと。聴くと思わず体が動いてしまう、そんな曲はベースがファンキーである場合が多いのです。
『宇宙刑事ギャバン』(1982年放送)のオープニング曲「宇宙刑事ギャバン」も、その代表的な曲です。
70年代のディスコやソウルミュージックの流れを受けつつ、ジャズの要素も取り入れた曲です。
このアレンジは、数々の特撮・アニメ音楽を作曲した渡辺宙明(わたなべちゅうめい)先生の名前から「宙明サウンド」とも呼ばれています。
ベースラインは、バイオマンに比べるとグッと難易度が上がります。ポイントは「休符の入れ方」と「躍動感」。
音を切る部分(休符)は歯切れよく音をしっかり止めて、サビでは、つい腰が動いてしまうようなリズムの波を作って盛り上げることが重要です。
難易度は高めですが、クールかつ大胆なベースを体感できる、とにかく弾いていて楽しい曲なのです。
*出口アドバイス:フレーズを気にしすぎず、楽曲のノリを出すことを心がけましょう。腕ではなく「腰」で弾くこと。
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■練習したらバンドやろうぜ!
1人で練習していると「これでいいのかな?」となりがちなのがベース。ベースは誰かと合わせて初めて気持ちよさが感じられる楽器なので、バンドにおすすめな楽曲を練習しましょう。
それが、『仮面ライダーゴースト』(2015年放送)のオープニング曲「我ら思う、故に我ら在り」です。
この楽曲を歌うは、リーゼントに長ランのヤンキーファッションでお馴染みの氣志團です。
氣志團は1980年代に起こった「バンドブーム」に登場したバンドが基になっており、この楽曲もストレートなバンドサウンドになっています。
ベースは基本に忠実な「低音を支える」プレイに徹していますが、要所にメロディアスなフレーズが織り交ぜられていて、楽曲に「切なさ」を演出。
ベースの見せ場です。「モテるベース」と言っても過言ではないので、万感の思いを込めて弾きましょう。
*出口アドバイス:テンポが早いので、最初はゆっくりしたスピードで右手と左手を確認しながら弾くと良いでしょう。
特撮楽曲の多くは、作曲家や作詞家、編曲家など、その道のプロの方が集結し、作品に合わせて高次元なクリエイティビティを発揮し作られています。
その音ひとつひとつに必ず意味があって、それが時に高度な音楽的表現だったり、時にヒーローの心情を表現していたりします。
作品を隅々まで味わう楽しみ方の一環として、ご自身でも演奏してみるのはいかがでしょうか。
(文/モノブライト・出口博之)