「ワタミが美味しくなった」と聞いたので行ってみた結果…
若者を中心に人気の居酒屋を展開する飲食チェーン『ワタミ』。
記者はあまりお酒を飲まないので居酒屋へ行く機会がないのだが、とある飲食業界で働く男性によると「最近ワタミ超美味しくなってますよ」ということであった。
正直なところ、ネットで物議を醸した「太刀魚事件」があってからあまり良いイメージの無いワタミであったが、果たして男性の言うとおり、本当に美味しくなっているのだろうか?
それを確かめるべく、ワタミが展開している業態のひとつである『わたみん家』へ行ったところ、衝撃の展開が待ち構えていたのであった…。
今回注文したのは、『ねぎま串(2本259円)&手羽とろ串(2本299円)』、『チーズつくね(1本299円)』、『青森県陸奥湾産 活帆立のお造り(399円)』、『店炙り 藁焼きカツオ(699円)』の4種類。
まず届いた『ねぎま串&手羽とろ串』は、1本100円台にもかかわらず肉厚でジューシー! スーパーで買っても同じぐらい値段はしそうなので、コスパも味もかなり良好である。これは美味しい。
お次の『チーズつくね』も、一口食べると肉汁とチーズの芳醇な美味しさが口いっぱいに広がる最高の味。炭火焼鳥が自慢のお店なだけあって、焼き物は文句のつけようが無いレベルであった。
…だが、ここから残念な展開になってしまったのである。3番目に来た『店炙り 藁焼きカツオ』は、メニューに出ていた色と比べてタタキの色がややくすんでおり、あまり鮮度が良くない印象。
また、ポン酢ではなく塩か醤油とワサビ、にんにくで食べるため、生臭さがやや目立つ。値段も699円と安くはないので、正直このレベルはかなり厳しいと感じた。
これならポン酢と玉ねぎをぶっかけた土佐作りにしたほうが臭みを抑えられて良いはずだ。
そして、さらにキツい展開がここから待っていた。最後に来た『青森県陸奥湾産 活帆立のお造り』には、真っ黒な「ウロ(肝臓などの働きをする中腸線という部分)」が入っていたのである。
ここは3月から10月にかけて貝毒が貯まりやすい部分であり、それ以外の時期も普通は捨てる部分。メニューの写真にもウロは取り除かれていたため、おそらく調理する際に誤って入れてしまったものと思われる。
記者は知っていたので口にしなかったが、実際に食べても美味しくないし、ほとんど問題は無いものの万が一何か起きてしまったら大変。これは味以前の問題なので、しっかりと調理担当者に周知して欲しいところだ。
感想としては、お店のメインメニューである焼き物はとても美味しかったため、注文品を間違えなければ大満足できるお店…なのだが、失敗したときにものすごくテンションが下がるため、季節メニューと一部料理(特に海鮮系)の改善は必須だと感じた。
お店でカツオを炙ったり陸奥湾産の活帆立を使うなど素材と調理法にこだわるのは分かるのだが、結果として美味しくなかったりそれが原因でミスが起きてしまっては元も子もない。
いまでは冷凍品でカツオのタタキもホタテの刺身もかなり良いものがあるので、調理人全員のスキルが一定になるまではそういったものを使う方が品質が一定するのではないだろうか。
ワタミほどの大企業になるとなかなか大変なことだとは思うが、ぜひ「誰が行っても満足できるお店」づくりに努力してほしいと思う。良い物は安くてとても美味しいので、今後に期待したいところだ!
(取材・文/しらべぇ編集部・熊田熊男)