ネットオークションの自転車は危険?転倒事故を起こす人も

2016/03/07 10:30


ネットオークションは、非常に便利なショッピングツール。ネット環境さえあれば、いつでも掘り出し物を見つけることができる。

だが問題点もある。たとえば商品が工業製品だった場合、そのクオリティーまではなかなか判別しづらいという点だ。

そうしたことが今、我が国日本で社会問題になりつつある。粗悪な自転車がネットオークションで大量に売られているというのだ。


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■3万円弱のトラックレーサー

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今回はインターネットでトラックレーサーを購入した、20代男性のA氏に話を聞いた。このトラックレーサーは、大手オークションサイトで競り落としたという。値段は2万6,000円。正規の自転車店ではまず望めない低価格。

だが何と、乗り始めてわずか2週間ほどでサドル部分のボルトが折れ、A氏は転倒事故を起こしてしまったという。

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「下がコンクリートだったから、そこに左肘を打ち付けて大怪我をしてしまいました。骨にヒビが入ったそうです」


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■安全マークはどこに?

その事故以来、A氏はこのトラックレーサーに乗ることを諦めたという。今も修理されず、駐輪場で錆びついている。

取材班がトラックレーサーを詳しく調べると、安全マークがない。JISやBAA、SG、TSなどのシールだ。そうしたものが一切貼られていないのだ。

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これらのマークは通常、メーカーが商品を出荷する時点で貼られている。TSマークの場合は自転車販売店に陳列する際に貼られるものだが、これらのマークには傷害保険と賠償責任保険が付加されている。

それがないということは、製造メーカーも販売者も出荷後の責任を一切取らないということだ。


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■シールは信頼の証

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ネットオークションに商品を出す販売者は、本来するべき手続きを全て飛ばすことができる。オークション出品の条件にTSマークなど求められない。

整備が不要な分、販売者は自転車整備士を雇う必要もない。だからこそ、信じられないような低価格でトラックレーサーを販売できるのだろう。

だが、安いものには裏がある。現にA氏は負傷してしまった。逆に言えば、安全マークは「信頼の証」でもある。自転車は多少高くても、安全マークが貼られているものを買うべきだろう。

(取材・文/しらべぇ編集部・澤田真一

自転車取材
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