もし、爆破テロに遭遇したら?事件から学ぶ「サバイバル術」3つ
ベルギーのブリュッセルで、大規模な連続爆破テロが発生した。
日本時間23日午前11時の時点で、死者は34名。国際空港とEUの施設が、国際テロ組織ISの標的になった。
もはや、世界のどこでこうしたテロが発生するか分からない状況である。去年11月のパリ、今年1月のジャカルタ、そしてブリュッセル。近代戦は対テロ戦争であり、そこには「前線」「銃後」などという言葉はない。
日本人も、いつテロリストの標的になるかわからない時代なのだ。
ではもし、我々の身近で実際に爆破テロが発生したら、どう対処するべきだろうか? 今年1月、インドネシアの首都ジャカルタでテロに直面した記者がご紹介しよう。
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①爆破テロは「同時多発」が当たり前
日本のマスコミは「同時多発テロ」や「連続爆破テロ」という言い方をするが、近年の海外メディアはそんな表現を使わない。
「爆破テロ」は「同時多発」なのが当たり前なのだ。ISに限らず、かつてヨーロッパを震撼させたテロ組織IRA(北アイルランド共和国軍)は緻密な時間設定を施した爆破攻撃を得意とした。
まず1発目の爆弾を炸裂させ、死傷者を出す。すると武装警察や救助隊が集まってくるから、彼らの退路を断つために周辺に設置した複数の爆弾を起動させる。
だからこそ、1発目の爆発で即座に現場を離れられるか否かが、テロから生き延びるための重要な条件となる。
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②ブービートラップの危険性
テロ現場での鉄則として、「遺体には近づかない」というのがある。
ベテランの戦闘員は、遺体にさらなるブービートラップを仕掛ける可能性がある。ベトナム戦争では北ベトナム軍が、アメリカ兵の遺体に安全ピンを抜いた手榴弾を忍ばせるという方法を行っていた。
遺体を動かしたら最後、手榴弾が炸裂する。
その上現代のテロリストは、服の内張りやベルトに爆薬を隠している場合が大半だ。実行犯が絶命したあとも、これらがまだアクティブであるかもしれない。
ジャカルタのテロ事件では、実行犯の亡骸を処理するために爆発物処理班の到着を待たざるを得なかった。また、この事件でも周辺の複数箇所から爆弾が発見されている。
テロリストは、これから攻撃するポイントの周りに必ずブービートラップを作るのだ。
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③荷物を捨てろ!
ジャカルタの事件に遭遇したある女性は、これがテロ事件と知るや靴をハイヒールからスニーカーに履き替えたそうだ。もちろんこれは、素早く逃げるためである。
そしてもし事件発生時に大きな荷物を抱えていたら、それは捨てるべきだ。身軽になるためというのもあるが、警察から見ればリュックや旅行カバンを持っている人物が一番怪しい。そこに爆弾が入っているかもしれないからだ。
現にブリュッセルの事件でも、警官が逃げ惑う市民に対して「荷物を捨てろ!」と叫んでいた。
結論を言えば、「即座に現場を離脱すること」である。繰り返しになってしまうかもしれないが、警察はその場で一般市民とテロリストの判別などできない。最悪、テロリストと間違えられ撃たれてしまうかもしれない。
我々現代人は、テロから身を守る手段を自分で身につけなければならないのだ。
(取材・文/しらべぇ編集部・澤田真一)