幽霊は妖怪と一緒だと思う?意外なその関係性とは
幽霊と妖怪。言葉自体に聞き覚えはあっても、その違いを明確に答えられる人はどれほどいるのだろうか。学校教育で習うものではなく、妖怪について学ばない限りは、この問いに答えるのは難しい。
だがしかし幽霊も妖怪も、日本文化には欠かせないもの。滅びた文化の遺産ではなく、現代文化にしっかりと息づいている一面がある。
はたして、実際、現代人はどれほど幽霊と妖怪について知っているのだろうか。しらべぇでは、全国20〜60代の男女1352名を対象に調査を実施した。
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■職業によって現れた明確な違い
その結果、「幽霊と妖怪は違う」と答えたのは全体の54.0%。「同じである」と考えた人とほぼ拮抗する結果となった。
しかし、職業別では有意な差が。自由業と公務員の回答に明確な答えが出たのだ。
人間は興味があるものほど、細かに分類しようとする性質があるという。公務員にとって、幽霊や妖怪は興味がないからこそ、全て一緒くたにしているのだろうか。それとも、なんらかの理由があって、一緒と考えているのだろうか。
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■違うと感じる人はアニメやマンガの影響?
アニメやマンガでは「幽霊」や「妖怪」を扱ったものは数多くある。現在放映中の2016年春アニメであれば『双星の陰陽師』や『妖怪ウォッチ』、『境界のRINNE』などがそうである。
『迷家』『影鰐』のように妖怪の名前を冠したアニメもある。マンガやアニメを好きな人たちとって妖怪や幽霊は身近ゆえに、それぞれ思い浮かぶ像が違うのかもしれない。
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■実際、幽霊と妖怪に違いはあるのか
江戸時代に妖怪を描いた鳥山石燕の作品『画図百鬼夜行』にも、故・水木しげる氏が監修した『日本妖怪大全』や『日本妖怪大鑑』にも、幽霊の項目はある。つまり「幽霊」とは「妖怪の一種」という見方ができる。
幽霊と妖怪は別種の存在ではなく、幽霊は妖怪という大きなくくりの中のひとつである。すなわち、人間と哺乳類の関係のようなものだ。
もちろん諸説はあるものの、幽霊と妖怪がまったく違うものだと言えるものではないのはたしかである。
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(取材・文/しらべぇ編集部・モトタキ)