【奇跡】握りたてと同じ味の『冷凍寿司』を日本の農学博士が開発
「寿司は冷凍食品になんて絶対ならない!」 おそらくほとんどの日本人が、そう思っていることだろう。そんな冷凍寿司に対する常識を、日本の農学博士であり、東京海洋大学院の教授・鈴木徹氏が打ち破ってくれた!
鈴木教授は昨年に冷凍寿司の特許を申請し、現在株式会社えだまめの成田代表と一緒に、製品化へ向けて活動中なのだという。
いったい鈴木教授の作った冷凍寿司は、従来の冷凍寿司と何が違うのだろうか? 東京海洋大学へ行き、ダンディな鈴木教授に詳しくお話を聞いてみることにした。
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■従来の冷凍寿司とドコが違うの?
「いままでの冷凍寿司は、ネタが煮えてしまったり解凍に時間がかかったりと、商品化するにあたって問題がいくつもありました。
自然解凍のものはシャリがボソボソになってしまうため添加物が必要だったりしたのですが、私が開発した冷凍寿司は特別なレンジを使用することで、無添加で握りたての味を実現しました。」
記者:それはスゴいですね! それでは、握りたての食感の冷凍寿司を作るにはどうすればいいんですか?
寿司種とシャリの温度差が重要です。一般的にシャリは人肌程度、ネタは20度ぐらいでやや口に入れて冷たさを感じるぐらいがいいと言われていますが、まずはそれを再現しました。
具体的に言うとマイクロ波の当てかたや時間を調節し、冷凍寿司を入れると10数秒でシャリの温度が60度になり、寿司種の温度が上がらない電子レンジを開発したんです。
そのような状態にレンジのなかでしてから外に出し5分置いておくと、握りたてに近い食感の寿司が出来上がります。
記者:すでにどんな寿司種でも冷凍できる技術はあるのでしょうか?
「じつは冷凍寿司にしやすい寿司種と、難しい寿司種があります。たとえばサーモンや白身、中トロにハマチ、生のエビなどは簡単です。
しかし、マグロの赤身はミオグロビンという色素が変化しやすく加熱ムラができやすいため、難しいです。でもなんとかできるようになりました。
あとは蒸しエビやアナゴ、玉子などすでに火が通っているものはとても簡単です。」
記者:それでは一度に何個冷凍寿司を作れるのでしょうか?
現状は1個だけですが、今年中に4個解凍できるレンジが開発できると思います。
レンジに入れている時間は10数秒なので、4個入れられるものができたら大量に作れますよ。
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■お待ちかねの試食
冷凍寿司の現状と今後について詳しく語っていただいたあと、お待ちかねの冷凍寿司をいただくことに。簡単だと言われていたサーモンと、冷凍寿司化が難しいマグロの赤身を試食させてもらう。
ストッカーから出してすぐは、完全にカチカチな状態である。これを電子レンジに入れて10数秒加熱。
出して5分置いておくと…!
おおっ! サーモンはツヤツヤで、見た目は冷凍寿司とはまったく分からないレベル。
試食してみると…う、ウマーッ! サーモンはしっかり冷たく、シャリは人肌でホロリとほぐれる。確かに握りたての寿司にメチャ近い味である。
お次の難しいと言われていたマグロの赤身。こちらはなんと職人さんが握ってくれた寿司をそのまま冷凍したものだという。
シャリがやや茶色いのは、赤酢を使用しているためだ。
こちらも味はバッチリ! スーパーの冷蔵寿司と比べてもはるかに美味しい。解凍シーンを見なければ冷凍寿司だとは分からないだろう。
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■テスト販売も開始?
成田代表によると、今年中に試験販売を開始したいとのことで、握りたてに近い味の冷凍寿司がわれわれの食卓にあがる日も、そう遠くないのかもしれない
ちなみにこの冷凍寿司を開発したきっかけは、鈴木教授が東日本大震災のあと、どうにかして東北の美味しい魚を世界に広められないかを考えた結果、生まれたものなのだという。
鈴木教授と成田代表の想いが詰まった冷凍寿司。日本の技術や美味しさを世界に届けられるよう、ぜひとも広まって欲しい素晴らしいものであった!
参考リンク:株式会社えだまめ プレスリリース