日産・ゴーン氏の高額報酬に株主が異論!「部活動に回せ」と怒りも
4月29日に開かれたフランスの自動車メーカー『ルノー』の株主総会で、最高経営責任者(CEO)カルロス・ゴーン氏の報酬約8億8000万円について、株主の54%「高すぎる」と異論を唱えたことが判明した。
ゴーン氏はルノーに加え、CEOを兼務する日産からも約10億円の報酬を得ており、年収は約20億円といわれる。
今回ルノーの株主からその高すぎる報酬にNOがつきつけられたが、拘束力はないそう。ゴーン氏も高額報酬の正当性を主張しており、下がるかどうかはわからない状況だ。
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■理不尽さを指摘する声
「コストカッター」の異名をとるカルロス・ゴーン氏は、1999年に経営危機を迎えていた日産自動車の社長に就任。工場の閉鎖や大規模なリストラを断行し、経営状態を改善させた。
また、2009年のリーマン・ショック時にも、同様の手法をとったほか、コストカットのため名門といわれた野球、卓球、陸上の部活動をすべて休部としている。
いずれも同氏によって多くの人々の職業や、アスリートの選手生活を強制的に終了させているだけにゴーン氏の報酬については「あの金があればリストラされなくてすんだ人がいる」、「企業スポーツに金をまわせば部が存続できる」と不満の声が多い。
ちなみに、実社会で上司に「俺が決めたから」といわれることを「理不尽だ」と感じたことのある人は約6割。
会社員の宿命とはいえ、上からの命令で意に沿わないことをやらされることに耐えられないと思っている人は多い。
■ファンからも手厳しい意見が?
日産のファンという人に意見を聞いてみると…
「私は日産自動車野球部のファンなのですが、あの素晴らしいチームが突然休部を通達されたのはショックでした。
ゴーン社長の給与額をみるたびに、『あのお金があったら部が存続できたのに』と思ってしまいます。卓球も陸上も強豪だったので、存続させてほしかった。個人にお金を集中させるのではなく、社員のことを考えて欲しいです」(30代男性)
「いくら高額の年収とはいえ、業績を回復させたわけですし、妥当と言えるのでは? 彼がいなきゃ、そもそも倒産していた可能性だってあるわけですし、簡単に真似られるようなことでもないでしょう」(20代・男性)
理解を示す人もいたものの、あまりに高額すぎる報酬に疑問を感じている人は、やはり少なくないようだ。
(取材・文/しらべぇ編集部・佐藤 俊治)
【調査概要】
方法:インターネットリサーチ「Qzoo」
調査期間:2015年6月19日~2015年6月22日
対象:全国20代~60代の男女1352名(有効回答数)