新車の4台に1台「アイドリングストップ車」に デメリットも
ハイブリッドや自動運転など、クルマの技術革新には目を見張るものがある。
最近では、停車時にエンジンを止める「アイドリングストップ機能」を持つクルマも多くなってきた。現在では、新車の4台に1台にまで増えているという。
■エンジンを止めるメリット
1年あたりのCO2排出量は、アイドリングストップで乗用車が1日10分間エンジンを止めると、1台あたり120キログラム削減できる計算だ。CO2の総排出量を抑える取り組みに個人レベルで貢献できるメリットがある。
エンジンが止まっている間は燃料を消費しないので、ガソリン代も抑えられる。計算では、5秒間のアイドリングで消費されるガソリン量と、止まっているエンジンをスタートさせるときに消費するガソリン量はほぼ等しい。
信号待ちなどでアイドリングの時間が5秒以上になるときは、エンジンをストップさせるほうが燃費も好転し「お得」だ。
■高コストな一面も
CO2排出量を削減できる上に燃費面でもメリットがあるアイドリングストップ車だが、維持費の面ではどうだろうか。
アイドリングストップ車では、エンジンをスタートさせる回数が一般のクルマに比べて格段に増える。となると、エンジンのスタートに関係する部品の消耗がどうしても早くなりがちだから、対策しておかねばならない。
特にバッテリーやセルモーターへの負担は大きいから、アイドリングストップ車の多くが高性能化や強化を図っている。中には、新たに開発した専用の部品を採用している車種もある。
これらのコストはクルマの販売価格に反映されているし、交換時には一般の部品より高くつくことも多い。場合によっては、交換サイクルが早くなる可能性があることも知っておいたほうがよさそうだ。
■使い勝手は?
アイドリングストップ車に乗り換えた当初は、運転に違和感を感じることもあるようだ。
車種にもよるが、車庫入れのなどで小刻みにクルマを止めるたびにエンジンが停止・スタートを繰り返す場合がある。道路上では、右折待ちでエンジンが止まるのが不安という指摘も。
車内では、アイドリングストップと連動してエアコンやワイパー、オーディオ、カーナビ、ETCなどの電装品が止まったり動いたりすることもあるようで、これは少々煩わしい。
どんな新技術にもメリットとデメリットはつきものだが、今後の改善には期待を寄せたいところだ。
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(文/しらべぇ編集部・上泉純)