入社してわかった「ブラックな慣習」サビ残、介護から昼寝まで
「ブラック企業」という造語。比較的、新しい言葉ではあるが、すっかり社会に定着した感がある。
そんな中、大半の給与所得者は、「真っ黒けっけのリッチなブラック」から「限りなく白に近いグレー」までの範囲内で日々、会社という組織と折り合いをつけながら収入を得て生活しているものといって差し支えないだろう。
■入社してわかった「ブラックな慣習」
会社員と公務員を対象に行ったしらべぇ編集部の調査によると、「職場に入ってからわかった『ブラックな慣習』に驚いたことがある」という人の割合は26.0%。男女別・年代別で顕著な差異は見られなかった。
ただし20代では、男性(13.6%)と女性(35.1%)とで大差がついた。彼らは、1980年代後半以降に生まれた「さとり世代」に属する人々だ。
この世代は、堅実で高望みをせず、何事も甘んじて受け入れる傾向があるとされるものの、「ブラックな慣習」かつ女性に限っていうとあてはまりにくいようだ。
とはいえ女性は、職場で「弱い立場」に置かれることも多い。「ブラックな慣習」の影響を受けやすくなるところには注意が必要だろう。
■ブラックの「筆頭」は、やはり…
さらに調査を進めて「驚いたことがある」という人を対象に、ブラックな慣習の数々を具体的に挙げてもらった。
回答が最も多く集まった慣習は「サービス残業」。具体例を挙げた4人に1人(25.0%)が、あの手この手で会社が強いる「サビ残」の手口を訴えている。
・タイムカードを定時に押してからサービス残業(回答者多数)
・残業手当の申請には上司の許可が必要だが言えない雰囲気(20代女性)
・表向きの就業時間に対し暗黙のルールで「裏就業時間」が(40代女性)
・少額の「残業みなし手当」でごまかされている(40代男性)
サービス残業以前の問題で、「そもそも会社(経営者)が残業という概念を持っていない」と嘆く人も多かった。
■「介護」「ボランティア」「昼寝」まで
変わったところでは、こんな「慣習」も。
・定時退社には有給休暇を1日分申請しなければならない(30代男性)
・宗教色が強い研修へ派遣される社員に激励文を書かされる(40代女性)
・ボランティアを強制される(40代女性)
・社長の「介護」を強制される(40代男性)
「社長の昼寝に付き合わされる」(40代男性)という珍慣習も寄せられたが、これは「うらやましい」と感じる人がいるかもしれない。
気になるのは、「言えない」という回答が目立ったこと。あれこれと内情をぶちまけられる人は、まだしも恵まれているほうなのだろうか……。
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(文/しらべぇ編集部・前田昌宏)
【調査概要】 方法:インターネットリサーチ「Qzoo」
調査期間:2016年3月18日~2016年3月22日
対象:全国20代~60代の男女1352名(有効回答数)