高知県で独自に発達した「寿司文化」がスゴい
東京の『江戸前寿司』や、大阪を代表する関西地方の『箱寿司』など、日本では地方によりさまざまな寿司文化が発達している。
珍しいものだと沖縄県の大東諸島に伝わる、サワラをヅケにした寿司種を使う『大東寿司』は那覇空港の弁当になるほどだが、高知県ではさらに独自で発達した寿司文化が根付いている。
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■高知県でもっとも愛されている寿司
そんな寿司王国である高知県でもっとも愛されている寿司が、高知県で採れる野菜が寿司種になった『田舎寿司』。
県内にある道の駅のほとんどで田舎寿司が売られており、高知県東部と西部で、やや異なる種類が作られているようだ。
こちらは須崎市にある「かわうその里 すさき」の田舎寿司。高野豆腐や野菜がネタになっており、海苔や薄焼き卵、昆布で巻かれている。
アンパンマンミュージアム横の「美良布」で売られていた寿司、一見普通のシメサバ寿司のように見えるが…
じつは寿司酢のかわりにゆずの果汁とゆず酢で酢飯を作っているので、柑橘の香りたっぷり。ごまとゆずを使っているのが田舎寿司の特徴だ。
田舎寿司は道の駅だけでなく、四国全域にチェーン展開をしている「マルナカ」などのスーパーマーケットでも売られている。
個人的にはマルナカの田舎寿司が一番美味しかった。こんにゃくで包まれている寿司がこんなに美味しいとは!
ちなみに高知龍馬空港内にある土佐料理店「司」でも、焼さば寿司に隠れて田舎寿司がメニューにある。
名店だけあって見た目も味も美しくお上品。帰りの飛行機内で食べてもいいだろう。
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■高知には美味しい寿司がいっぱい
田舎寿司について詳しく紹介したが、高知の寿司はそれだけではない。かつおのたたきを巻いた『土佐巻き』は、県内の寿司屋ならどこでもあるメニューだ。
こちらは香南市にある道の駅「やす」で売られているすりみ寿司。
大葉が仕込まれた白身魚のすりみで酢飯やちりめんじゃこなどの具材が巻かれており、そと柔らかでなか香ばしいという絶妙な仕上がり。
高知市の最西端である大月町では、知る人ぞ知る隠れた激ウマ寿司も。
地元の小さなスーパーマーケット「ママショッピングセンター」で売られているぶりの姿寿司は『へら寿司』とも呼ばれている。
以前は道の駅でも売られていたようだが、いまでは地元スーパーでしか手に入らない。脂ののったぶりとごま、ゆずの香りが効いた酢飯の組み合わせは、ここでしか食べられない究極の組み合わせだ。
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■高知独自の寿司文化
このように高知県では、どちらかというと店で食べるのではなく、弁当を中心とした独自の寿司文化が発達したようだ。
海のイメージが強い同県だが、山林が地域面積のほとんどを占めていたため野菜を使った『田舎寿司』が生まれたり、海側では海産物と特産品のゆずを組み合わせた寿司が人気である。
かつおのたたきや皿鉢料理もいいが、高知へ行ったら県を巡って寿司ツアーをぜひお勧めしたい。きっと地元以外ではほとんど知られていない高知の美味しさに気づけるはずだ。
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(取材・文/しらべぇ編集部・熊田熊男)