聴覚障害を扱った名作『聲の形』がついに公開 京アニに期待の声

2016/09/17 18:00


画像は映画『聲の形』のスクリーンショット
画像は映画『聲の形』のスクリーンショット

「週刊少年マガジン」に掲載され、2015年版『このマンガがすごい!』オトコ編第1位など多数の賞を獲得している『聲の形(こえのかたち)』が映画化された。

9月17日より上映が始まっている。


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■『聲の形』のあらすじ

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(画像出典:Amazon

ストーリーは高校生になった登場人物たちの5年前の回想から始まる。

主人公・石田将也は、毎日の退屈を紛らわすための「遊び」として、先天性聴覚障害者の転校生・西宮硝子をイジメ続けていた。

将也に同調するように、やがてクラスメイトたちも硝子を除け者にし始め、ついには担任までもが彼女の存在を疎んじていく。

異変に気づいた硝子の母親によってイジメの実態が露わになり、今度は主犯格だった将也がクラス中から吊るし上げられイジメの対象となってしまう。

それを庇う硝子の態度を将也は理解できずにいた。その真意がわからぬまま、彼女は転校してしまう。

そして今。高校生になった将也は、相変わらず友達もなく周りから孤立していた。やがて硝子に自分が行なってきたことへの罪を償うためのドラマが始まっていく。


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■聴覚障害者の存在

この作品が他の青春漫画と一味違うのは「先天性聴覚障害者」という題材をテーマのひとつに据えていること。

漫画では表現しにくい「手話」を描くことにより、些細な言葉でもお互いに伝えたい、伝わらない、伝わった_という温かさやもどかしさが滲み出ている。

そして時には大きな痛みを伴い、壊しては作り成長していく人間模様が凄まじいスピードで展開されていくところに、多くの読者は惹きつけられる。

硝子が目に見える障害を抱えているのと同じように、将也は目に見えない大きな心の傷を負っている。

そんな二人を中心とした恋愛関係、周りを取り囲む人々との友情、それぞれの家族の葛藤。多くの要素を取り込み、イジメや障害という垣根を越えたドラマ性に共感し、また感動する。


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■注目の制作陣

今回の劇場版アニメーションの制作は京都アニメーション。監督は『映画けいおん!』などを手がけた山田尚子、脚本は同作などで組んだことのある吉田玲子。声優陣も豪華に揃えており、期待度が高い。

なお、一部映画館では9月24日(土)~30日(金)の間、日本語字幕付上映が決定している。それ以降の字幕上映に関しては、公式サイトで順次アナウンスされる予定。

一つのムービーとして、また、主人公たちの姿を自分の過去・そして未来に向けたメッセージとして受け取る形で観ても心に残る作品になるだろう。

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(文/芥川 奈於

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