男性のみ入店禁止のイタリアンが議論に 「男性差別」か弁護士の見解
女性専用車両やレディースデーなど、現代女性は男性に比べ、日常生活でさまざまなメリットを享受することができる。
これらはビジネス的な観点や、安全面を考慮した結果であるが、あまりに度が過ぎたすみ分けは、ときに男性から批判されることもある。
18日、あるtwitterユーザーの投稿が大きな議論を巻き起こした。
■男性客のみ入店禁止のイタリアンに批判殺到
問題となったのは新宿歌舞伎町にあるイタリアンレストラン『コンテラッツァ』。
店の前に立てられた看板には「男性様のみのご来店×」と大きく書かれていたのだ。
そして、その下には「女性様のみのご来店◎」「女性様と男性様のご来店◎」とも。
つまり、この店は男性のみのグループの来店を禁止しているというわけだ。
ツイートの投稿主は「しかし男はイタリア料理食べる権利もない時代きてんのな!」とコメント。
これに対し、「商売だとしてもアウトじゃないか」「あり得ない」「そこまでしなくていいのでは」などの感想が確認できる。
しかし、一方では「もともと男性オンリーの客なんてそう来ないだろうし、いいのでは」「これを口実に女性をデートに誘えってことだろ」など、店側を擁護する人も。
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■弁護士の見解は……
「男性差別」と声高に叫ぶ人も見られるこの問題だが、実際のところ法律的にはどうなのだろうか。
しらべぇコラムニストで、レイ法律事務所・代表弁護士の佐藤大和先生に話を聞いた。
佐藤弁護士:最近、女性専用車両や、女性専用プリクラなど、性別に着目し、男性または女性の一方しか受けることができないサービスなどもありますね。
今回のレストランが「男性のみの入店を禁止」する理由はわかりませんが、性別に着目したサービスの一環といえるでしょう。
さて、このようなサービスは違法なのでしょうか?
そもそも憲法14条では、「すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。」としています。
そのため、お店がお客さんにサービスする上でも、この憲法の規定を尊重する必要があるといえるでしょう。
もっとも、お店には、誰にサービスを提供するかなどを自由に決める裁量もあります。また、どのようなサービスをすればお客さんを集客することができるかの経営的な判断も必要となりますよね。
したがって、お店側は、男女を区別することについて、合理的な理由があれば、一方の性別のみ入店拒否をすることも問題ないということになります。
さて、今回のレストランの「男性のみの入店を禁止」することに合理的な理由があると認められれば、問題ないといえるでしょう。
とのことであった。
男性諸君にとっては少し悲しい話であるが、男性のみの客を排除することで店の雰囲気が良くなったり、明るく華やかになったり、お洒落になったり、いい匂いがするようになって売上が伸びれば、それは「経営的判断」として許されるようだ。
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■炎上を受け、変更へ
しかし、運営元の新宿メトログループには多くの電話が寄せられ、誤解も招いているとして、20日から「男性のみ」でも入店できるようになったそうだ。
問題の看板も、すでに店頭から撤去されている模様。
かりに経営的判断であったとしても、昨今では「女性優遇」の風潮に対し、疑問を持つ男性も少なくない。とくに、ネット民と呼ばれる人々は過激に反応しがちだ。
繊細な問題だけに、今後はもっと慎重に対応していくことが求められるだろう。
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