タイの男性は働かないって本当? タイ在住主婦が実情を調べてみたら、本当だった…
タイという国に住んで約8ヶ月。どうも気になるのが、近所のソムタム屋台の家族のことだ。
1日5時間、ほぼ毎日夕方から客の列が途切れることはないその屋台で、ソムタムやらおかずを作り続けるのはお母さん。お会計をしたり、接客をしたりするのは息子さんと娘さん。聞けば30歳前後、他に仕事をしている様子はない。
お母さんの腕一本でこの家族を養っているのは一目瞭然。一家の主、お父さんはと言えば、いつも屋台の後ろで連れきた犬と戯れている…。なんとお母さんが忙しく働いている後ろで、お父さんは何をするわけでもなく、のんびり過ごしているのだ。
暖かい国のオトコは働かない、と巷では言われている。このソムタム屋台一家をみていて、「タイのオトコはどうなんだろう?」と調べてみることにした。
まず、住まいから駅までの500メートルにずらっと並ぶ屋台で働く男女比を数えてみた。すると、
・屋台の数:43軒
・働く人の数:58人(うち、男性:11人、女性:47人)
このように、圧倒的に女性が多い。では、働く男性が多くいるのは大企業なのかもしれない。ということで、日本企業のタイ支店を持つメーカーに問い合わせてみた。
その結果、工場で働くタイ人の男女比は、「性別が男性なのは、1/3ですね」とのことだった。なんともタイらしい微妙な回答だ。性別が?(笑)
では、日本企業現地に何店舗も支店を持つあの「◯ーオングループでは」どうだろう? こちらは、「男性は全体の 1/5ですね、しかも、その殆どはゲイかニューハーフですよ」との回答をもらった。いったい、働いてるオトコはどこにいるのか? オトコは働いてナンボではないのか?
思い切り覆されるニッポンの常識。噂どおり、「南国・タイのオトコは働かない」という結論になってしまうのか? そこで、これに対しタイ人女性はどう思っているのかも併せて聞いてみた。
■28歳ジャーナリスト・ Kさん
「働かない人も確かに多いけど、私の周りの友人の男性はちゃんと働いているわ」
「結婚するなら、私は働き者の男性とするわ!」
という彼女。ただ、いっこうにそのお相手が見つかる気配はないとのこと…。
■バンコクで日本語を習う女子大生
「男性はあまり勤勉ではないのに、仕事を選り好みします。でも、女性は何でも出来ることを頑張ります。しかも毎日残業しています」
■夜のお姉さん達にも!
10人中7人がタイ人男性は働き者ではないとの答え。基本的に、タイの歓楽街のお姉さんたちはそこで働きたくはないのだそう。しかし、彼女達の周りにいる男性達は働かない、もしくは頑張って働いても稼げない、という事だった。うーん、ちょっともの悲しさを覚えるインタビューとなってしまいました。
気を取り直し、最後に、タイ人男性と結婚した日本人女性に聞いてみた。その驚くべき答えは、「タイには女が働くもの、という文化がある。働かない男性というのは、当たり前なのでは?」というものだった。
調べると、タイには昔出家という習わしがあったり、徴兵制のため、男性の労働力は不安定だったという。そのため、女性が安定した労働力となり経済を支えるようになっていったのだと。
そういえば、タイの女性は頼もしくたくましい。みな笑顔だ。その後ろやそばで何にもしていないように見えるご主人たちも、いい笑顔を向けてくれる。そう、悪びれることもなく、責められることもなく。なんだか幸せそうだ。
働き過ぎて心を失うこともある国ニッポンからみたら、なんとも不思議な国に映るだろう。オトコは働かないのが、タイの文化。いやはや…。さらに、その日本人妻はつけ加えた。
「ベトナムのオトコはタイより働かないみたいですけどね。」
(文/しらべぇ海外支部・hiroko)