2014年版・印象に残るエントリーシートの企業ランキング トップ10まで理由を解説!

2014/07/18 15:00


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就活において、学生が苦労するものと言えば、エントリーシートだ。ふと気づいた。エントリーシートというものが誕生してから20年以上経っているということを。いや、逆に言うとそれくらいしか歴史がないのだが。1991年度の新卒採用でソニーが導入したのが最初だと言われている。

では、その中でも印象に残るエントリーシートの企業とは、どこなのだろう。データを見てみよう。HR総研による2015年度採用の総括資料『2015年新卒採用徹底解』を元に考えてみる。

※調査主体: 楽天株式会社(みんなの就職活動日記)
企画協力: HR総研(HRプロ株式会社)
調査対象: 就職活動中の大学生、大学院生に対するWebアンケート
調査期間/有効回答数 2014年4月21日~5月1日/1482名

ランキングは、これだ。

【印象に残るエントリーシート】 ※()内の数字は回答数

1位:カゴメ(42)
2位:サントリーグループ(34)
3位:全日本空輸[ANA](25)
4位:三井住友海上火災保険(21)
5位:電通(20)
6位:旭化成(18)
7位:博報堂/博報堂DYメディアパートナーズ(17)
8位:三井住友銀行(16)
9位:花王(15)
同率:三菱東京UFJ銀行(15)
11位:日本航空[JAL](14)
12位:日本放送協会[NHK](13)
13位:オリエンタルランド(12)
同率:伊藤忠商事(12)
15位:JTBグループ、Plan・Do・See、ソニーミュージックグループ    、トヨタ自動車、資生堂、日清食品(11)

どうよ、これ?

まあ基本、大企業、人気企業だらけである。みんなが受ける企業が上位にきやすいというのはあるだろう。調査時期が4月なので、大手企業の選考が盛んな時期だということもある。また、回答数もそれほど多くならない。このあたりは、人気企業ランキングなどにおいても、上位の企業の回答数がそれほど多くないことに似ているな。まあ、就活する学生は1学年約40万人もいるわけで。その中で人気の傾向を調べようというのはそもそも無理があるのだが。

ベストテンについてそれぞれの評価されたポイントをコメントの中から可能な限り拾ってみよう。

1位はカゴメ。ここは毎年、面白エントリーシートで話題になる企業だ。カラオケの十八番を聞くことであまりに有名だ。記入欄も多い。空白を自由に使って自分をアピールする項目もある。他と圧倒的に違うものになっているのだった。

2位はサントリーグループ。ここは白紙のA4版1枚で自分を表現するという設問が、学生の印象に残ったようだ。

3位の全日本空輸は、自分らしい写真を貼るという設問が。このような、負荷がかかるもののユニークかつ学生を味わおうとする設問は好印象のようだ。

4位の三井住友海上火災保険は、設問数が多く、これにより学生を味わおうとする姿勢が評価された。

5位は電通。「さすが大手広告代理店」と唸るような、発想力を問う質問が印象に残ったようだ。

6位の旭化成は、指定されたキーワードを盛り込んで作文を完成させるという設問が。7位の博報堂/博報堂DYメディアパートナーズは、設問のユニークさが評価された。

8位の三井住友銀行は深掘り質問、設問数の多さが特徴。9位の花王はA4で4枚と、とにかく分量が多い。同じく9位の三菱東京UFJ銀行は、800字で記入する項目があるなど、文字数が多いことが特徴だ。

ランキング自体は、人気企業がずらりという感じだったのだが、個人的に意外だったのは、学生たちのコメントにおいて、負荷のかかる企業に対して好意的なものが散見されたことだ。やりごたえがある、ちゃんと見てくれていると感じるのだろう。エントリーシートの負荷に対し、私は問題意識を持っていたし、ここで紹介したようなものも単に負荷が増しているだけのようにも見えるのだが。考えさせる問題、やりごたえのある問題などはむしろ学生にとって好印象というわけか。

また、あなたを理解しようとしていると感じさせるエントリーシートは好印象のようだ。もっとも、これは「印象に残った」エントリーシートのランキングであり、「印象の良い」エントリーシートのランキングではないのだが。

さて、あなたの思い出のエントリーシートはどんなものだったかな?

(文/常見陽平

常見陽平就活ビジネスコラム
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