実は福岡発祥な食べ物を4つ紹介!とりあえず「聖一国師」さんに感謝しましょう!
福岡県発祥の食べ物といえば、言わずと知れた「とんこつラーメン」を思い浮かべる人が多いと思います。しかし、今や全国的に知られる食べ物で、意外にも福岡県発祥のものがたくさんあることをご存知でしょうか? そこで、今回福岡県出身の筆者がこっそり教える、実は意外と知られていない福岡発祥の食べ物をご紹介いたします。
画像をもっと見る1:うどんは福岡発祥です。
うどんと言えば香川県を思い浮かべるかと思います。ところが、実はうどんの発祥は福岡県なのです。鎌倉時代の高僧である聖一国師(しょういちこくし)が1241年に中国の修行を終えて帰国した際、従来の日本とは違う製粉技術を持ち帰り伝えたことで生まれたのが、現在みなさんがよく食べている「うどん」。
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福岡県福岡市博多区にある彼が開いたお寺「承天寺」には、そのことを示す「饂飩蕎麦発祥之地」という石碑があります。ちなみに石碑にも書いてある通り、蕎麦も同様にこの地が発祥だとされています。
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2:年越し蕎麦は福岡発祥です。
うどんと同様に蕎麦も福岡発祥だと前述しましたが、実は「年越し蕎麦」の習慣も福岡発祥なんです。鎌倉時代に中国からやってきた貿易商人の謝国明(しゃこくめい)が、聖一国師と年末に町民に蕎麦がきを振る舞ったところ、翌年から多くの人が福に恵まれたため、「福そば」と呼ばれたものが定着し、そばの全国への伝播とともに拡がったと言われています。
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3:饅頭も福岡発祥です。
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薄々お気づきの方もいるかもしれませんが、聖一国師が製粉技術ともともに伝えたのがうどんと蕎麦と、そして「饅頭」です。
彼が托鉢で親切にしてもらった茶屋の店主に「甘酒饅頭」の製法を教えたものが、やがて全国に拡がったと言われています。承天寺にはそのことを示す「御饅頭碑」という石碑が、さきほどのうどんと蕎麦の石碑と並んで建っています。ちなみにこの聖一国師は、全国的に知られるお祭り「博多祇園山笠」を生み出した人だったりもします。今どきで言うなら「聖一国師マジでパねえ」です。
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4:ういろうも福岡発祥です。
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代表的な名古屋のおみやげのひとつ、「ういろう」。実はこのういろうも、福岡発祥だったりします。
中国の元が滅亡した際に日本に亡命した陳延祐。彼が元の王朝に仕えていた時の官職が「礼部員外郎」であったため、日本に移り住んだ際に「陳外郎」という性を名乗りました。その後、彼は再度中国に渡り医学を学び「透頂香」という薬を日本に伝えた際に、彼の名前をとって「外郎薬」という名前で売りだしたのです。
しかし、とてもその薬が苦かったため口直しのために米粉で作った和菓子を一緒に出していたものが、現在の「ういろう」の元祖になったと言われています。ちなみに彼がいた福岡県福岡市博多区妙楽寺には、そのことを示す「ういろう伝来之地」という石碑が建てられています。
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5:辛子明太子は実は福岡発祥ではありません。
最後は、実は発祥じゃないというものをご紹介。福岡のお土産の代表選手「辛子明太子」。実はこの辛子明太子は福岡県発祥ではなく、山口県下関市が発祥なんです。元々は朝鮮半島で作られていたスケトウダラの卵の塩漬けに唐辛子を一緒にいれて作られていた、いわばキムチの作り方で製造されていたもの。
それを日本人の樋口伊都羽が朝鮮半島で商品化し大々的に流行らせました。それが更に日露戦争直後に下関へ輸入され、改良されたものが現在の辛子明太子の基礎となりました。やがて、現在全国的に知られる「漬け込み型」と呼ばれる調味液に漬け込む方法を福岡の「ふくや」の創業者・川原俊夫が開発し、そして彼は地元の業者に特許も取らずに製造方法を教えたことで、一気に福岡で辛子明太子が拡がっていきました。現在の漬け込み型の辛子明太子は福岡が発祥ではあるもの、辛子明太子自体の発祥は以外にも山口県なんです。
福岡県には他にも、「焼きうどん」や「焼きカレー」など、発祥の料理が沢山ありますが、今回紹介したものは意外と知られていない“発祥”だったと思います。これでみなさんも、今日から福岡通ったい。
(文/しらべぇ編集部・常時系)