【コラム】U35に捧ぐ、ガンダム課長との付き合い方 「郷に入らば郷ひろみ」の法則

コラム

2014/10/03 15:00

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ガンダム課長。これが、“いま、そこにある問題”である。彼らを理解せずして、平和な会社員生活はあり得ない。親父にも、上司にも殴られたことのない軟弱者の君たちに、彼らとの付き合い方を伝授しよう。

前回、「PUNK課長、HIPHOP係長に気をつけろ!音楽好き上司に嫌われないためのコツ」という記事を書いた。おかげ様で大反響だった。「いるいる!」「わかるわ」など共感の声を頂きつつ、「“ヘビメタ課長は理解がある”っていうけど、そんなのウソだろ。最も面倒くさい存在だ」という反論や、「ネオアコ係長の方が面倒くさい」「20年後はボカロ課長が出る」などのマニアックなご指摘も頂いた。

そして、ご意見の中で、「ガンダムに詳しい管理職も地雷になり得る」というものがあった。分かる。よく分かる。というのも私自身、いわゆるガンダム世代で、特に『機動戦士ガンダム』『機動戦士Zガンダム』については、ついつい熱く語ってしまうのだ。

『僕たちはガンダムのジムである』なんていう本も書いた。この本がキッカケで、富野由悠季監督や『機動戦士ガンダムUC』の福井晴敏さんと鼎談したこともある。今年開催された機動戦士ガンダム展の図録にも、富野由悠季監督の次のページに私のインタビューが載ったぞ。

最後のほうは自慢話のようになってしまった。ただ、ぶっちゃけ35歳以下の人にとっては、あるいは女性にとっては、何が羨ましいのか、さっぱり分からないことだろう。わかる、わかるよ。そう、ガンダムが人気コンテンツであり、商業的に成功しているのは間違いないが、とはいえ、誰もが知っているものではないのだ。だいたい35歳~50歳くらいまでの人だろう。この世代だからと言って、全員が詳しいわけではない。だからこそ、皆、ガンダム課長に困っているのだろう。

さらにガンダム課長が面倒くさいのは、ガンダム好きを全面に押し出さなくても、思想がブライト艦長やシャア・アズナブルに影響を受けているという人たちがいることである。ついつい命令口調になったりするのも、自分をブライトやシャアに重ねあわせているがゆえにである。

ここで、私の座右の銘をお伝えしよう。それは「郷に入らば郷ひろみ」というものである。ほとんど「郷に入らば郷に従え」と同じ意味だが、いまだに若く見えて激しくダンスする郷ひろみのように、やりすぎなくらいに郷にいるという意味である。

ガンダム課長とうまくやっていくには、まず、ガンダムのことを理解することだ。『機動戦士ガンダム』『機動戦士Zガンダム』を見るべきだ。普通のガンダム課長はこの2本を見るだけで、気持ちを理解することができる。これらのTV版ではなく、映画版の3部作がそれぞれ出ているから、それを観ると良い。『機動戦士ガンダム逆襲のシャア』まで見れば完璧だ。

そして、ガンダムガイド本やネットのまとめサイトでガンダムの名セリフを覚えることだ。さらには、1000円以内のもので、ひとつでかまわないので、ガンプラを買って作ってみるのだ。ガンプラはニッパー、いや爪切りさえあれば、最初から色もついていてかっこ良く組み上げることができるぞ。

なぜにそこまでしなければならないのか。説明しよう。ここまでやれば、ガンダム課長がいかに面倒くさいかがよく分かるからだ。そうか、こんな企業社会の縮図みたいなドラマを幼少期から何度も見て育ったんだ、この名セリフと自分の仕事を重ねあわせているんだ、ガンプラを組み立てるのはこんなに大変なのか、などなど、いちいち彼らの気持ちが分かるものである。

くれぐれも言うが、中途半端な肯定や批判はトラブルのもとだから、気をつけろ。特に、ヒットしなかった作品の中途半端な批判はいけないぞ。また、特定のキャラの批判もよくない。ガルマ・ザビやマ・クベ、キシリア・ザビの批判など、もっての他だ。また、間違っても自分から3倍速く仕事しますとか言ってはいけない。

飲みの席でガンダム話が始まったら、聞け。ひたすら聞け。その熱、愛を受けとめろ。この辺は音楽好きの管理職と一緒だ。

最後に。エヴァンゲリオン係長、主任。こいつらは、ガンダム課長より面倒くさくない。悩みつつも、「逃げちゃダメだ」と言って仕事に取り組むからな。ガンダム課長と仲良くすることが職場で生き残るポイントだ。君は生き延びることができるか?

(文/常見陽平

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