【画像掲載、不可能?】顔に串刺しな人達が行進…爆破も凄まじいタイの奇祭を紹介
海外には様々なお祭りがあります。楽しいをはるかに通り越し、“クレイジー”としか言いようのないものまで…。
つい先日、筆者は、タイ国プーケットで行われた「ベジタリアンフェスティバル」に足を運びました。「ベジタリアンフェスティバル」というネーミングからは、有機野菜の販売や、野菜の形のキャラクターが登場する比較的おとなしいお祭りをイメージしませんか?
ところがこれ、想像を絶する衝撃のお祭りだったのです!! 目に飛び込んで来た光景は、かつて見たことのない痛々しさの連続と、凄まじい数の爆竹が鳴り響く状況での行進でした。ネーミングとのあまりのギャップに、どう言葉にしてよいのか、最初はただただ戸惑うばかり。
【顔に刃物を刺しまくる】
【火の上を歩く】
【刃の梯子を登る】
【爆竹を浴びながら行進する】
お祭りというより、苦行を見せられているようでした。特に“顔に串刺し”の模様、みなさんにお見せしたいのですが、心臓が弱くなくても気分を害される方が多数あらわれるリスク満載なので、今回は“串刺し”写真の掲載は控えたいと思います。
ベジタリアンフェスティバルの起源は古く、約200年前、1825年頃と言われています。東南アジアの華僑が信仰する『九皇大帝』の祭りは、菜食週間としてタイ全土に存在しますが、この激しいフェスティバルはプーケットならではのようです。
錫鉱で栄えていた当時のプーケットには、沢山の中国人が出稼ぎに来ていました。その慰安の為に訪れた京劇団がかかった疫病を治すために、神に祈りを捧げ菜食を続けたのが始まりと言われています。
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そもそも、なぜ顔に串刺しするのか…?「マーソン」と呼ばれる「神に選ばれた特別な人」が、顔や身体に金串や様々なモノを刺して行進するのです。見ているこちらが痛くなるような…あまりにもショッキングな光景。
しかし、神が降臨している(?)ため、痛みは感じないと言われています。マーソンたちの身体は小刻みに揺れ、瞳は定まらず、まさにトランス状態。常人には理解不能の境地です。そのなかに、女性や子供が居たことにも驚きました。顔に傷は残りますが、嫁入り前の女性でも問題のない価値観なのでしょうか。
この串刺しには、「自分が身を呈し、神と繋がり民を守る」という意味があるそうです。普通はできない苦行を実行することでパワーを見せつける。神が降臨した証だそうです。
トランス状態から正気へ戻った後の生活への支障等を心配してしまう筆者には、神は降臨してくれなさそうですね。
そしてもうひとつの衝撃は、【おびただしい数の爆竹】です。
爆竹や花火は、人に向けてはいけないと教わりませんでしたか? 神輿を担ぎ、行進する人々に向けて容赦無く放り込まれる爆竹の数は、半端じゃありません。加えて、凄まじい音と煙。行進を見るのにも、耳栓マスクなどの防備と覚悟がいります。
これはもはや、爆破です! ネズミ花火にもビビる筆者にとっては、まさに大事件。頭上で、足元で、容赦無く破裂する爆竹にどんな意味があるのか?
これについても聞いてみました!ズバリ、邪気払いと幸運を呼び込むとのことでした。なるほど…。激しいほど良いのですね。
これら以外にも、【燃え盛る炭火の上を裸足で歩く】や、【刃物で出来た梯子を裸足で登って降りる】といった儀式的なものもありましたが、先に挙げた2つの刺激が強すぎるため、少し冷静に見守る感じとなりました。
祭りの期間は、9日間。行進は朝晩のみ、人が入れ替わり4日程続きます。だんだん見ている方も慣れてくるから不思議です。人は、さらに強い刺激を求め続けるということなのでしょうか?
最近刺激が足りない、とお感じの皆さん、是非プーケットベジタリアンフェスティバルで度肝を抜かれてみてはいかがでしょうか?
(文/しらべぇ海外支部・hiroko 写真/Yosuke Hasegawa)