【元芸人11人】夢破れたお笑い芸人はなぜウェディングプランナーを選んだのか?
夢破れた芸人たちはどこに行ったのか?
“お笑い”はもはや日本を代表する文化の一つと言えるだろう。テレビをつければお笑い芸人が活躍するバラエティ番組を見ない日はない。とは言え、テレビに出られる芸人はその中のほんの一握り。その背後には多くの夢破れた芸人たちが存在する。
彼らは、芸人を辞めてからどんな仕事に就いているのだろうか。かつて芸能事務所に所属していた元芸人11人の「芸人を辞めたその後」を追った。
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ウェディングプランナーは「自分の天職」
まず、最も多い11人中5人が就いていたのが接客業だった。アパレルショップの店員やネイリスト(女性にネイルアートをする人)、飲食店の店長など、やはり芸人時代に培ったコミュニケーション能力を活かした仕事に就いている者が多いようだ。
驚くべきは、取材対象者11人の中にウェディングプランナー職に就いている元芸人が2人いたこと。2人は口を揃えて「これが自分の天職!」と語ってくれた。ウェディングプランナーとは、新郎新婦と二人三脚で、披露宴の内容決めから式の運営までを行う仕事。一見華やかな仕事に見えるが、体力的にも精神的にもとてもハードな内容と言われている。
この仕事がなぜ芸人と親和性が高いのか。ほぼ徹夜でアルバイトと芸をかけ持ちしていた下積み期に培われたタフさや、「人を喜ばせたい」というモチベーションが、ウェディングプランナーという職業と重なる部分が多いというのだ。結婚式の準備ではケンカをする夫婦も少なくないそうだが、元芸人のウェディングプランナーは笑いで二人の雰囲気を和ませて感謝されることも多いという。
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「可愛がられる力」を活かしたあの職を選ぶ人も
続いて多かったのが「営業」。モノを売るセールストークというよりは、芸人時代に先輩にかわいがられるために身につけた「後輩力」を活かし、お客さんとの関係性を構築することに長けている者が多いという。
ある男性は「飛び込み営業なんて、全く笑わないプロデューサーの前でネタやるのに比べたら全然マシです」と語ってくれた。芸人時代に培った度胸のおかげで、ある程度のことでは折れないというのも元芸人ならではの強みと言えるだろう。
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東京から地元へ
芸人を辞めた理由で時折耳にするのが「稼業を継ぐ」というもの。今回の調査でも、稼業を継いで農家になった者や、酒屋になった者がいた。東京や大阪から地元に戻り、苦労はなかったのか。「はじめはみんな厳しかったけど、地元の人はあったかいから、今ではすごく助けてくれるんですよ」。そう語ってくれたのは実家のある広島で農家を継いだ元芸人の男性だ。
芸人は上下関係がとても厳しく、この度取材した2人も礼儀正しくまじめな性格であった。そこが地元の方たちに受け入れられたポイントなのかもしれない。
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やっぱり波瀾万丈な人生!社長から主夫まで・・・
とはいえ、「やはり生き方から芸人だな!」と感嘆してしまいそうになった者も存在する。「起業して社長になった」という彼はネットビジネスを立ち上げ業績は好調、「無職!」と答えてくれた男性は芸人時代から付き合っていた恋人の家に転がり込み、「主夫」さながらの毎日を満喫しているという。
一つの夢が破れても、また新たな夢が見つかることもある。芸人として培った強みを活かし、社会のどこかで活躍する元芸人たち。人々のキャリアの多様性を感じさせる取材となった。
(取材・文/しらべぇ編集部・河津愛美)