「ディスる」の意味が分かる割合を年代別に調査!あの『リンカーン』から7年…
「え、おまえディスってる?」「こないだ酔った後輩からディスられちゃってさぁ」…。昨今、主に若者のあいだで、このように“ディスる”という言葉が普通に使われるようになっています。
世間的には“最近の流行語”と捉える向きもありますが、この言葉、実は1990年代後半から使われています。ただし、当初その使用範囲は非常に局地的で、渋谷の宇田川町や円山町界隈に集うラッパーやDJといったヒップホップ愛好者(B系)のあいだで主に使われていました。
■「ディスる」の語源
なぜヒップホップ愛好者のあいだだったのかといえば、その語源は、アメリカのラッパーたちがその歌詞(リリック)の中に取り入れる“disrespect”の要素にあるからです。
“disrespect”とは、「尊敬しない」「見下す」「軽蔑する」といった意味をもつ言葉ですが、ラップの世界において「AというラッパーがBというラッパーをdisrespectした」といえば、これはAがBのことをけなす歌詞を歌った、あるいは、けなす発言をしたということになるでしょう。
このようなアメリカのラッパーたちのコミュニケーションを、日本の愛好者たちは「ディする」と表現し、自分たちの日常会話でも「悪く言う」という広義的な意味で取り入れるようになったというわけです。
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■広まったきっかけは、中川家?
そんな「ディスる」という言葉が広く浸透したきっかけは、2007年9月4日に放送されたダウンタウン司会のバラエティ番組『リンカーン』(TBS系)でしょう。この日放送された企画は、お笑いコンビ・中川家の剛さんが、練馬区を拠点に活動するヒップホップ集団「練マザファッカー」にラッパーとして入る、というもの。
この放送のなかで、練マザファッカーの面々が頻繁に「ディスる」というワードを発し、それが評判に。彼らは後に別の放送回でダウンタウンの松本人志さんと対面し、そこでも「ディスってんの?」と口にしていました。
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■現在の浸透度は?
このように、およそ15年に及ぶ経緯をたどって徐々に徐々に浸透してきた「ディスる」という言葉。今回、しらべぇ編集部では、20代~60代の成人男女1500名を対象に、この言葉の浸透度を調査してみました。
●「“ディスる”という言葉の意味がわかる」と回答した年代別の割合
20代:71.0%
30代:55.7%
40代:44.0%
50代:25.7%
60代:9.7%
全体平均:41.2%
このように、年代が上がるにつれて分かり易く浸透度は下がる結果となりました。20代の若者のあいだでは7割以上の浸透度となっていますが、40代から半分以下に。50代・60代で一気に下がった結果、全体でみると浸透度はおよそ4割ということですね。
悪口を言う、けなす、罵倒する、批判する…。日本語にはマイナスな態度を表す言葉が多くありますが、それぞれ細かく度合まで表現されているため、感情との乖離があり、実際には口にしにくいという側面が否めないと思います。
だからこそ、曖昧なニュアンスでマイナスな態度を表現できる「ディスる」「ディスられる」は、重宝されるのかもしれません。今後、その浸透度はますます増していくことでしょう。
【調査概要】
方法:インターネットリサーチ「Qzoo」
調査期間:2014年12月12日(金)~12月15日(月)
対象:全国20代~60代の男女各750人(計1500人)
(文/しらべぇ編集部)