日本みたいなキラキラ感ゼロ! 海外クリスマスソングのビターな世界観とは

2014/12/24 08:00

しらべぇ1223クリスマス1

画像はスクリーンショットです

日本のクリスマスといえばラブラブで浮かれた感じのイベントであり、 「中止しろ」とか「爆発しろ」といった言葉がTLを埋めまくったりするわけですが、 今日ご紹介するこの曲はもうちょっとビターな味わいの、クリスマスの名曲。

題名は「Fairytale Of New York」。邦題を「ニューヨークの夢」と言います。

夢を叶えるべくアイルランドからニューヨークにやってきた移民たちが、 アルコールや薬によって転落の人生を歩み、再び立ち直ろうとする歌。

ヘヴィな内容でありながら、1987年の発売以降アイルランドとイギリスでは 毎年チャートの上位に入る国民的定番ソングになっているのです。

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歌っている「ザ・ポーグス」のシェーン・マガウアンが、歌中の人物さながらに アル中の、もう本当にダメダメな人で、それがまたこの歌に尋常ならざる 説得力というかリアリティーというか、魂を吹き込んでいるのが素晴らしい。

というわけで、お話しするより見て聴いていただくのが絶対によいので、 オフィシャルPVと、僭越ながら私の方で歌のあらすじを要約しました。

訳詞というよりなんだかCMの字コンテみたいですが、 それでも無いよりはあった方がいいかなと思い、書き添えておきます。 それではどうぞ。メリークリスマス。

【Fairytale of New York】

男:あれはクリスマスイブだったな
俺は泥酔してブタ箱にぶちこまれた
先客のおっさんが俺に言ったよ
「もう新入りは見たくねえな」
そして歌い始めたんだ
「The Rare Old Mountain Dew」※1 をさ
俺は思わず背を向けたよ
そして お前の夢を見てた


男:一発当てたぜ 18倍の大穴だ
俺は思ったね 今年こそ俺とお前の年になる
ハッピー・クリスマス 愛してるよ
すべての夢が叶う時が目に浮かぶぜ


女:バカでかい車を手に入れた人もいた
黄金の流れる川を手に入れた人もいた
なのにあんたはただ風に吹かれてるだけ
ぼんくらに残された取り分なんて無いんだよ
はじめて手をつないだ寒いイブの夜
あんたあたしにこう言ったよね
“ブロードウェイが君を待ってる”って


女:あの頃のあんたは男前だった


男:お前だってかわいかったぜ
ニューヨークの女王って感じさ


バンドの演奏が終わっても
客がもっとやれって叫んでた
シナトラがスイングすると
酔っぱらいたちは大合唱
その片隅でキスをして
夜通しずっと踊り続けたっけ


ニューヨーク市警の聖歌隊が
「Galway Bay」※2を歌ってる
ベルというベルが響き渡っていた
クリスマスの街


女:だけどあんたは穀潰しのクズ野郎だった


男:お前こそ薬漬けの最低女じゃねえか
死に損ないの点滴患者みたいに寝てるだけだろ


女:この腐れ外道のカマ野郎
あんたのケツにハッピー・クリスマスだよ
神様に祈っとくわ あんたと別れたいって


ニューヨーク市警の聖歌隊が
「Galway Bay」を歌ってる
ベルというベルが響き渡っていた
クリスマスの街


男: 俺ならやれると思ってたんだ


女: 誰だってそう思ってこの街に来るの
あたしの夢はあんたに出会ったときに
あんたに取り上げられちゃったけどね


男: その夢ならまだここに取ってある
俺の夢と一緒にな
ひとりで叶えられる夢じゃないんだ
俺の夢は お前と一緒に夢を叶えることだから


ニューヨーク市警の聖歌隊が
「Galway Bay」を歌ってる
ベルというベルが響き渡っていた
クリスマスの街

※1「The Rare Old Mountain Dew」:アイルランドの伝統的民謡。
※2「Galway Bay」:祖国アイルランドを思う移民の心情を歌ったビング・クロスビーの歌。ちなみにビング・クロスビーの母親はアイルランド移民2世です。

(文/林裕

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