雛人形は元祖シルバニアファミリー!?百段雛まつり開催中の目黒雅叙園にあるあるを聞いた

2015/03/02 10:00


sirabee0302hina

3月3日は「雛まつり」。女の子の健康や幸せを願い、雛人形を飾ってお祝いする節句の行事です。筆者は独身な上に男兄弟なので、雛まつりや雛人形にはあまり縁がないのですが、従兄弟の家で雛壇に飾られていたお内裏様とお雛様、三人官女に五人囃子の佇まいの綺麗さはよく覚えています。

ところで、雛まつりや雛人形の由来ってご存じですか? 時は平安時代、人形に自分の穢れを移して川に流す儀式「雛流し」と、貴族の子どものおままごと遊び「雛遊び」が結びついて「雛まつり」ができたんだとか。雛人形は、はじめは川に流すので紙の人形だったものが、室町時代に人形が立派になって飾るようになり、江戸時代に雛壇に人形を飾る風習ができたそうです。

日本の伝統行事として当たり前に飾っていたけど、由来までは知らなかった方は多いのではないでしょうか? なんとなく調べているうちに雛人形が気になってきたので、「百段雛まつり」を開催中の目黒雅叙園さんに、雛人形あるあるを聞いてみました。

画像をもっと見る

■雛人形は元祖シルバニアファミリー!?

雛人形は段飾りのイメージがありますが、もともとはお内裏様とお雛様の対のみであったそうです。子どもが生まれて、まずはお内裏様とお雛様の対を買い求め、次の年には三人官女、五人囃子と買い足していった文化があります。作者が皆一緒ということでもなく様々なお雛さまを好みで飾っていました。

近年は、まとめて販売した方が価格が上がることもあり、一部の人形店がセット販売するようになったことが現在のスタイルに繋がっています。まさに元祖シルバニアファミリーですね

関連記事:落語を見たことがある人は47%。半数が未体験の落語の魅力をプレゼンに紐づけて紹介

■お内裏様とお雛様はどちらが左でどちらが右?

お雛様の故郷である京では、南向きに座り太陽が昇る東が右側になることからお内裏様を右側に置き、下座である左側にお雛様を配したそうです。その後、大正天皇のご大典の折に、西洋の習慣にならって男性が向かって左に、女性が右に立たれたことから左右が混在することが生まれたと言われています。これは西洋の騎士道にしたがったものであり、「左手で女性を守り右手で剣を持ち戦う」ということに由来します。

では、どちらが正解か? 考え方は様々ですが、結果的に答えはありません。京文化が色濃いところは向かって右側にお内裏様を配し、江戸文化系のところは左側に配す傾向がありますが、好みで飾られるのが良いと思います。

ほかにも、豆知識として左大臣・右大臣は東西によって言い方が異なることや(関東では左大将・右大将と言われ、京では随臣(ずいしん)と呼ばれるそう)、五人囃子には、謡・笛・小鼓・大鼓・太鼓を持ったものとは別に、笙・篳篥(ひちりき)などの雅楽に使用する楽器を持ったものがいることも教えてもらいました。

たくさんの雛人形あるあるを教えてくれた目黒雅叙園さん。3月8日(日)まで、「百段雛まつり」という雛人形が一同に集まるイベントを開催中です。今年のテーマは瀬戸内。兵庫・岡山・広島の雛人形が、東京都の指定有形文化財「百段階段」に展示されています。

高さ80cmの日本最大級の雛人形からミニチュアな雛人形、何世代にもわたって大切に保管されてきた雛人形が展示されているので、雛人形に改めて興味をもった方や、日本の文化を感じて見たい方は足を運んでみてはいかがでしょうか?

sirabee0302hina

sirabee0302hina

sirabee0302hina

sirabee0302hina

sirabee0302hina

sirabee0302hina

sirabee0302hina

sirabee0302hina

sirabee0302hina

*写真は許可を得て撮影しています

(文/しらべぇ編集部・砂流恵介)

シェア ツイート 送る アプリで読む

編集部おすすめ


人気記事ランキング