バラエティ番組は平均「3.75秒」でカットが変わる!【原田専門家のTVのみかた】
はじめまして。普段は「パ紋」というパーソナルな家紋や、陣内智則のネタの映像を作ったり、番組のCGを作ったりデザインをしている、元芸人で映像作家兼デザイナーの原田専門家です。
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テレビが好きで、テレビがついていない時間の方が短いくらいつけっぱなしで、テレビの内側からも現場を見たりしていることから、こんなテレビの見方(味方)をしたらもっと楽しいんじゃないかということなどを書いて行ければと思います。
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■どのバラエティ番組も4秒以内になっている!
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さて第一弾はバラエティ番組は平均3.75秒でカットが変わる「4秒以内ルール」です。ルールと言っても、業界の取り決めとしてのルールという訳ではなく、カット変わりするまでの秒数の平均値が3.75秒なんです。
出演者がA、B、Cの3人の番組として、ABCの3人のグループショット、AB、BC、ACの2人のツーショット、A、B、Cの1人のワンショットと合計7パターンあります。
ここで、Aが話の中心となり話を進めていたとします。その時はAのワンショットが映し出されますが、これが4秒以内にACやAB、Cのリアクション、グループショットになったりとカットが変わるのです。
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■実際にしらべてみた結果・・・
試しに今放送されている番組を見て秒数を数えてみていただければ、ほぼ4秒以内にカットが変わっていることに気づくと思います。
30分番組でおよそ350~400カット、1時間番組では650~800カットになります。CMを除いた実尺で計算した数値は平均は3.75秒でした。
最も多い秒数は26%をしめる2秒で、3秒は23.94%、4秒は19.28%となりました。サンプル数が少ないですが、番組個別に見てもほぼ同じ結果が出ていました。
もちろん例外はあります。コーナーの説明や、ハガキを読んでいる、熱く語り出しているなどの時はこの限りではありません。
ではなぜ、4秒以内にカットが変わるでしょうか。
①ザッピング中にチャンネルを止めやすくするため
これは様々なカットを短く繋いで見せることで誰が出ているのか、また笑っているカットやリアクションで番組が盛り上がっているのを見せる為。
※ザッピングとはテレビを視聴している際にリモコンを操作してチャンネルをしきりに切り替える行為のこと
②画面に動きを持たせるため
業界用語で絵代わりしないとよく言われますが、これは同じカットで持たないことをいい、とくに意味をもたせてじっくり見せる場合ではない時は同じ人がしゃべっていてもカットがよく変わります。これによって画面に動きが生まれます。
③テンポ感を出すため
これは動きを持たせる為とも似ていますが、テンポよく見せる事で飽きさせない為。また人の目は動きに対して敏感に反応する為、画面が変わればテレビから逸れる事なく続けて視聴される為。
④編集で切ったため
話し出すまでの時間や、リアクションまでの時間、不要な部分をつまんで繋げる際に、同じカットでは繋がらない為に一旦別のカットを挟んで戻るという編集の結果、短い時間でカットが変わる事に。
⑤ザッピングした気にさせるため
これはザッピングしていること自体が主目的であって、番組を探しているわけではない人が、ザッピングと同じリズムで画面が変われば、ザッピングしなくてもそのチャンネルでいいやと思わせる為だと思うけど、そんな人いる?
とまぁ最後のは冗談としても、より多くの人に見てもらう為の結果、ザッピング対策や、編集の都合上など様々な理由で平均3.75秒に1回、カットが変わっているんですね。
(文/原田専門家)