台風の名前はどう決まる?世界的な命名「委員会」が存在!【元井美貴のお天気ラリアット】
こんにちは。天気を予報するのが生業、元気にプロレス観戦するのが生きがいの気象予報士・元井美貴です。
今年(2015年)は台風が多いですね。5月上旬までに台風7号が発生するのは、統計が開始されてから初のこと。台風7号は週明けには小笠原諸島に接近する予想です。波が高くなるので気をつけてくださいね。
さてみなさん、今回の台風の名前ってご存知ですか? 日本の南海上にある台風7号には、「ドルフィン」という名前が付けられています。
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「え、なぜにイルカ?」と思われた方のため、ここでちょこっと台風の名前について、“セルフQ&A方式”でお話していきますね。
■台風の名前は誰が決めてるの?
「台風委員会」が決めています。日本を含めた14ヶ国が加盟していて、それぞれ10個ずつ名前を提出。合計140個からできた名前リストに従って順番に命名しています。
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■どんな名前があるの?
国によって様々です。リスト番号1はカンボジアが命名した「ダムレイ」で、これは象の意味。今回の台風「ドルフィン」は香港の名前で、白いるかを表しています。動物、植物、土地、神様の名前が多いですね。
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■日本はどんな名前を出しているの?
「テンビン」「ヤギ」「ウサギ」「カジキ」「カンムリ」「クジラ」「コップ」「コンパス」「トカゲ」「ハト」、以上10個の名前をリストに挙げています。
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■それって何の名前? 動物?
日本では、「星座の名前」を台風に付けています。
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■台風7号「ドルフィン」の次はどんな名前になるの?
とても良い質問ですね!(セルフ質問なんですが…) 台風8号が発生すると、日本の「クジラ」という名前が命名されます。イルカの次にクジラが来るのです!
というわけで寂しく自作自演で自問自答してきましたが、奇遇なことに、台風の名前リストでは、「ドルフィン」の次に「クジラ」が控えています。台風の発生数は年間25.6個なので、およそ5年で140個のリストを1周することに。
ということは、この次にドルフィンとクジラがくるのは5年後の2020年頃…。オリンピックイヤーには、再びイルカとクジラが並ぶことになるかもしれません。今から台風の被害がないことを祈りましょう。
他にも、中国の「ウーコン(孫悟空)」、マカオの「バビンカ(プリン)」、タイの「マンクット(マンゴスチン)」など、台風とは思えないような可愛らしい名前がある一方で、台風の被害が多いフィリピンでは、
「ハビギス(すばやい)」
「ハグピート(むち打つこと)」
「ルピート(冷酷な)」
「タラス(鋭さ)」
など、名前から既に台風への恐れを感じ取ることができるものも存在します。
今年(2015年)は台風シーズンの始まりが早く、これから発生数・上陸数ともにピークを迎える8月にかけて注意が必要です。南の海上を彷徨うドルフィンの行方を見守りながら、次なる台風クジラのこともぜひ意識してみてください。
(文/気象予報士・元井美貴)