ビジネスの役にも立つ、ことわざ遊び【黒田勇樹の妄想的語源しらべぇ】
「てにをは」が気になってしまうと、本番でも容赦なくセリフを噛む俳優/ハイパーメディアフリーターの黒田勇樹です。こんにちは。
このコラムでは、子供の頃から芸能の世界で台本や台詞に触れ続け、今なお脚本家やライターとして「言葉」と向かい合っている筆者の視点から、様々な「言葉の成り立ち」について好き勝手に調べ、妄想をふくらませていこうと思います。
今週は「てにをは」、いわゆる「助詞」と呼ばれるものの使い方を間違えると、ここまで恐ろしい意味の取り違いが起こってしまう、ということについての考察。
「言葉」の使い方について考察する場合、以前の連載でも書きましたが、やはり「誰が使っても、同じ意味に聞こえる言葉」を、例に上げることが大切です。
そこで登場するのが、やはり「ことわざ」。昔から親しまれ、使われ続けてきた言葉の「てにをは」を変えてみます。
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■「虎に威を貸せる狐」
©iStock/Enjoylife2
強そう!この狐、もんの凄く強そう!
本来の「虎の威を借りる狐」では、力がないのにずる賢いイメージですが、こうするとすっごい強そう。
まあ、「借りる」を「貸せる」に、変えてしまっているので「てにをは」関係ない気もしますが、「の」を「に」に変えるだけで、筆者が「このあとに続くのは“借りる”じゃない!“貸せる”だ!」と、思わずにはいられない、これこそ「てにをは」の魔力とも言えるのではないでしょうか?
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■「馬脚があらわす」
©iStock/KateLeigh
「を」を「が」に、置き換えただけでこの迫力。
「馬脚をあらわす」ならば、とてもドジな様相を想像しますが、「馬脚が」になった途端、「馬脚が!?馬脚が何をあらわすの!?自分たちが知らない何かを馬脚が知っているの!?」と、「馬脚」という言葉が、とても神秘的なものの様に感じられないでしょうか?
ビジネスシーンや日常生活でも「てにをは」の、使い間違えは、この様に大きな意味の取り違えを起こすことがあるので、この「ことわざの“てにをは”を変えてみる遊び」で、日頃から思考トレーニングをしてみてはいかがでしょうか?
(文/ハイパーメディアフリーター・黒田勇樹)