陽気で軟派なだけじゃない!?イタリア人のいい加減さの裏に隠れた人生へのこだわり
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イタリア人といえば、明るく陽気でいい加減というイメージがありませんか? 仕事に謀殺されるハードワーカーな日本人とは真逆なイメージのイタリア人を思い浮かべて「たまにはあんなにのん気に生きてみたいもんだ」なんて思ったことがある人もいると思います。
しかし、イタリア人がいい加減というのはプライベートの約束や発言の一部。意外にも家の掃除には潔癖なくらい几帳面だったり、就業時間には忠実であったり、と彼らは彼らなりのこだわりの中で「いい加減」と「大事なこだわり」を分けているのです。
今回は、7年のイタリア留学経験を持つ筆者がイタリア人の「いい加減」と「こだわり」を分かりやすくポイントで紹介したいと思います。息の抜き方の参考にご覧下さい。
いい加減ポイント
1.発言
イタリア人の発言について気をつけないといけないのが、彼らは自分の発言に自信を持っているけど、責任はもたないということ。例えば、人から又聞きした話も平気で自分の話のように手振り身振り付きで大げさに話すし、基本的にお節介な人種なので、道を聞かれたりしたら間違っていても必ず答えてあげます。
プライベートなことだけなら良いのですが、仕事での発言もいい加減なことが多いです。というのも、彼らはあくまで一個人としての意見を言うことに慣れているから。
日本人なら企業のマニュアルや社会常識に沿って発言をすると思いますが、イタリア人は仕事の場でも「私はこう思う」という個人の意見を言います。ですので、人によって回答が違うことがよくあります。
2.謝らない
イタリア人は、まず謝りません。自分が間違った言動をしたとしても「間違えは誰にでもあることだから」という考えです。社会的にこういった考え方なので、謝ることを要求される場面も少ないです。
まずは謝罪することが誠実さの表れとされる日本人にはなかなか理解できない考え方ですが、「聞く」ことより「主張する」ことを必要とされる国ではそれが当たり前となります。
3.公共機関
電車、郵便、学校、病院などの公共機関は日本人から想像もできないくらいいい加減です。電車は10分以内の遅れで着けば奇跡。郵便や宅急便はいつ届くか分からない。そんなルーズさがまた「いい加減な発言」や「謝らない文化」にも繋がったりします。
「自分はきちんと送ったのに、宅配されていない」と、送ったフリをすることもできるし、「電車が遅れてた」と言って電車のせいにして待ち合わせに遅れることもできるのです。もしかしたら、イタリア人のいい加減さのすべてはここにあると言っても過言ではないかもしれません。
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大事なこだわりポイント
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1.自宅の清潔感
イタリア人は、自分のテリトリーには徹底的にこだわります。イタリアへ旅行に行くと、町の道路が意外と汚れていることに幻滅する人がいますが、そんな人には、是非イタリア人のお宅を訪問してみて欲しいです。イタリア人は、潔癖なほどまで家にきれいさにこだわります。
シンクや洗面台を使った後にはきちんと拭いて水滴の後は残さないし、男性でも上手にベッドメイキングします。公共機関のサービスに満足が得られないだけに、自分のテリトリーだけは過ごしやすい空間に演出することが彼らにとってとても大事なのです。
2.就業時間
プライベートの待ち合わせの時間にはルーズなイタリア人も、仕事になるときちんとした人が多いです。終了時間を絶対的に守りたいために、就業中は集中して仕事をこなします。
日本では、企業の方針やお客さんの対応を優先しますが、イタリアで一番大切なのは自分のための時間。家族と過ごすため、趣味を保つために仕事をするというスタンスの人が多いので、オンオフの切り替えが早く、平日も仕事終わりの時間を上手に使います。
イタリア人のいい加減ポイントと、大事なこだわりポイント、日本では実行するのはなかなか難しい部分もあると思いますが、取り入れてみると息抜き上手になれるかもしれませんよ。
(文/しらべぇ編集部・砂流恵介・辰巳真理)