臭くないの?ドリアンと世界一と称されたマッサマンカレーのコラボをタイで発見!
“フルーツの王様”と称されるドリアン。 表面は硬い皮とトゲで覆われ、ナイフでその表皮を割くと強烈な臭いを発し、その独特な存在感から“王様”と呼ばれている果物だ。
タイのホテルや空港では、「ドリアン禁止マーク」を貼り出し持ち込みを禁じているところも少なくない。日本がドリアンを輸入している国は、98%がタイ王国でと圧倒的な割合を占めている。しかもタイ王国はドリアンの収穫量が世界ナンバーワンであり、“ドリアン王国”でもあるのだ。
画像をもっと見る世界でもっとも美味しい料理にドリアンを投入!
ドリアンの生産地は東部が多く、その中の1県にチャンタブリー県がある。収穫時期になると街のあちこちの路上でドリアンが販売されるほどの生産量を誇る県だ。
ここチャンタブリー県で、ドリアンを使った珍しい料理があると聞き、訪れた。
そのメニューとは、「ドリアン入りマッサマンカレー」。
マッサマンカレーとは、アメリカの人気情報サイト『CNNGo』が「世界で最もおいしい50種類の食べ物」の第1位に選んだことから世界中から一気に注目を浴びることになったタイ料理だ。
世界一に認められたマッサマンカレーに、フルーツの王様であるドリアンの強烈な臭いが加わることで、いったいどんな料理になってしまうのか…。
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食感はドリアン、しかし薫りは…
ドリアン入りマッサマンカレーを提供しているのは、チャンタブリー県の中心部にあるタイ料理レストラン『chanthron restaurant』。
白を基調とした店内で、昼どきやディナータイムなどは満席で店頭に並んでいることも珍しくない人気店だ。私が来店したのは16時ごろだったため、店内には数組しかいない。
ドリアン入りマッサマンカレーを注文し、店内がドリアン臭くなろうとも被害が少なくて済むだろう。注文してから10分。私の眼下にドリアン入りマッサマンカレーが登場した。
見た目は何事もないマッサマンカレー。しかしよく見ると、カレーの色で分かりづらいが明らかにドリアンと分かる大きな具材が3つ。その他の具材は鶏肉が入っている。恐る恐るドリアンを口へと運んだ。
ドリアン独特の固めのチーズのようなねっとりとした食感が広がる。ところが、臭いはまったくない。調理の過程で何らかの方法で、あの独特の臭いは消したのだろう。ドリアンの食感だけを残し、マッサマンカレーと見事融合させていたのだ。
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高い栄養価を美味しく採れる
食感だけならジャガイモに近いので、ジャガイモでいいんじゃないだろうか…。と思ってもみたが、ドリアンの栄養価は無視できない。
おもな栄養成分…
(可食部100g中) としてカリウム(510mg)、マグネシウム(27mg)、リン(36mg)、銅(1.9mg)、葉酸(150mcg)、ナイアシン(1.4mg)、ビタミン B1(0.33mg)、ビタミンB2(0.2mg)、ビタミンB6(0.25mg)、ビタミンC(31mg)
と素晴らしいラインナップ。貧血予防や疲労回復の効果が期待できる。他には高血圧予防に効果があるカリウムが、アボガドに次ぐ含有量。
「ドリアンは臭いから苦手」
という方でも、ドリアン入りマッサマンカレーなら高い栄養価が難なく採れるだろう。ただ気を付けてもらいたいのは、ドリアンとアルコールとの食べ合わせ。
科学的な根拠はないらしいが、死亡例があるとの話しもしばしば聞くので避けておくほうが無難だろう。
(取材・文/しらべぇ海外支部・西尾康晴)