電車が遅延しないのは乗客のマナーも関係していた!イタリア人から見た日本電車の凄さ!
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最近、東京オリンピックに向けて日本の素晴らしさを紹介するメディアが増えてきましたね。筆者はイタリアに住んでいたことがあるため、日本にいてもイタリア人の友達や観光客と話す機会が多いのですが、イタリア人が日本来て強く印象に残ることのひとつに「電車」があります。
日本に来たら新幹線には絶対乗りたいという外国人も多いですが、実際に日本の電車に乗ってみるとそのサービスの快適さだけでなく、日本独特のマナーや習慣などが気になるようです。イタリア人が日本の電車に乗って驚くことを3点紹介したいと思います。日本人が思ってもいなかったところに驚き・感動しています。
車掌さんの働きっぷり
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新幹線の車両に出入りする際の車掌さんの丁寧なお辞儀。新幹線に乗ったイタリア人全員が最初に感動を覚えるのがこの光景です。また、「後方よし!」「出発進行!」などと大きな声で指差し確認をしている車掌さんの様子も、ヨーロッパでは考えられないことです。車掌さんの働く姿勢の裏に、日本では、職務そのものよりも「仕事に取り組む姿勢」が重視される国なのだということ気づかされます。
制服の着用の仕方や言葉遣いまで徹底されているのも日本ならでは。イタリアでは、職務そのものがきちんとなされていれば、服装や話し方にまでクレームをつける人は少ないです。日本人がイタリアにいって車掌さんを見ると、とても個性的に見えるはずです。
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遅延をしない電車や新幹線
都心の駅の多さは日本人でも驚くところだと思いますが、私鉄や地下鉄以外の鉄道(JR)が都会の真ん中を5分〜10分間隔で走っている事実にイタリア人は驚きます。イタリアの鉄道は遅延で有名ですが、平均で15〜20分遅れで運行しており、5分遅れで着いたら早いほうです。
この電車の遅延ですが、システムだけでなく乗客の乗り降りのスムーズさが大きく関わっています。イタリアでは、ホームに乗車位置がないどころかドアが開かないなんてこともよくある上に、乗客する人が並ばずドアの近くに群がっているため降りづらいなど、乗り降りにかなり時間がかかります。
対して日本では、ホームに乗車位置があること、そこに乗客がきれいに行列していること、電車が止まると乗る人は横にずれて、降りる人を優先してあげることなど、乗客側にも遅延されない工夫がされています。
人口密度が多いのに公共のサービスがきちんとしていることで知られる日本の快適なサービスは、利用するお客さん側の協力によって成り立っているということですね。
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日本の変わったマナー
日本人は道徳的マナーにうるさい人種ですが、日本でのマナー常識が世界で通用するとは限りません。例えば公共交通機関で通話禁止というルールは日本だけ。
イタリア人は、移動中の空き時間こそ格好の電話タイムとばかりに、多くの人が家族や恋人に電話するだけでなく、仕事の電話まで済ませてしまう人もいます。イタリア人に限らず、日本のこのルールには「なぜ?」と疑問に感じる外国人が多いです。
逆に、日本では当たり前だけどイタリアではあまり見られない光景は、車内での居眠り。睡眠は、家でくつろいでするものなので、公共の場で寝顔を見られることに日本人以上に抵抗を感じる人が多いよう。
ルールには厳しい日本人ですが、座席の譲り合いに関しては自己中な人が多く見られるという辛口な意見も聞かれました。イタリアでは、優先席でなくてもお年寄りや妊婦の方に座席を譲ってあげます。妊婦さんには、スーパーのレジでさえも一番前に優先したり、街でお年寄りの荷物を持ってあげることもありますが、日本は普段からそのような他人同士の触れ合いが少ないので、席のゆずりあいでも声をかけるのに勇気がいるのかもしれませんね。
日本の常識は世界の非常識!? 私たち日本人が外国に行って白い目で見られることもあるかもしれないので、せめて日本の電車内でマナーを破っている外国人がいても、大目に見てあげて下さいね。
(文/しらべぇ編集部・砂流恵介・辰巳真理)