【黒田勇樹の妄想的語源しらべぇ】慣用句に、慣れすぎていませんか?
疑うことこそ、相手への誠意だと思っている俳優/ハイパーメディアフリーターの黒田勇樹です。
こんにちは。 「信じてたのに!」とか、本当に無責任な人が言う言葉だよね。
このコラムでは、子供の頃から芸能の世界で台本や台詞に触れ続け、今なお脚本家やライターとして「言葉」と向かい合っている筆者の視点から、様々な「言葉の成り立ち」について好き勝手に調べ、妄想をふくらませていこうと思います。
さて、先週のことわざでも書きましたが、人間は慣れる生き物。
当たり前のように使っていても、とんでもない発言をしている、ということは多々あります。
日本独特のわびさびとでも言うのでしょうか?そういうものを知らない人が聞いたら、恐ろしいことをクチにしている瞬間が、日常の中に潜んでいるのです。
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画像をもっと見る■「頭の回転が速い」
所謂「慣用句」、多くの人に広まって誰にでもその意味を間違いなく伝わるような比喩表現、例え話の様なもののことですが、「頭」の「回転」が「速い」 知性だけあって日本語を初めて知った人が、この言葉を聞いたらどう思うでしょうか?
頭が回転している時点で、大事件です。 すかさず、アンパンマンが新しい顔を受け取った時の、顔がクルクルしているような状況を想像します。
もしくはナポレオンズのダンボールマジック。
しかも、それが、早いんです。 大事件どころか、これはもう大惨事です。 目を光らせる。 エイリアンですか!?エイリアンなんですか!?
「息子のイタズラに目を光らせる母」なんて言われたら、アメコミ好きの子供は全員「お母さんはサイクロプスなの!?」と思うでしょう。
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■「首の皮一枚でつながる」
助かってません。首の皮が一枚つながっていたところで、他がざっくりいっていれば死にます。
本当に首チョンパされた人が、皮一枚つながった状態で「いやー、助かった」などと言っていたら、それはもうホラーでしかありません。
「慣」用句とは、よく言ったもので、すっかり慣れて使っていますが実は、非常に残酷だったり無責任なことを言っていることが多い言葉。
「本当だったら?」と意識をしてみると、日常が楽しくなるのではないでしょうか。
「喉から手が出る」、とかね。
(文/ハイパーメディアフリーター・黒田勇樹)