沖縄のご当地ヒーローは「ビジネスモデル」がすごい【出口博之のロック特撮】
こんにちは、白ポロ+眼鏡でおなじみのMONOBRIGHT、ベースの出口です。先日、DJイベントに出演するため、沖縄に行ってきました。都内を離れる際に、この連載「ロック特撮」では必ず行うことがあります。
それは訪れた地域の「ご当地ヒーロー」を調べること。過去のロック特撮では岡山、札幌のご当地ヒーローについて調査してきましたので、今回は沖縄のご当地ヒーローをご紹介しましょう!
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■沖縄のご当地ヒーローは全国区の知名度を誇る
ご当地ヒーローといえば「地域に密着した活動」が主になるので、知名度で考えると「その地域以外の人には極端に知名度が低い」のです。しかし、沖縄のご当地ヒーローはその限りではありません。
ご当地ヒーローの枠を超えた沖縄ご当地ヒーロー、それが「琉神(りゅうじん)マブヤー」です。
画像出典:Amazon
2008年に琉球放送(沖縄ローカル)で放映が始まったご当地ヒーロー。劇中では沖縄の方言や歴史が盛り込まれており、沖縄文化を伝える試みもされています。
その要因もあり、ヒーローショーでは2万人の動員を記録し、映画、漫画、海外進出と、沖縄を飛び出し世界にまで活動の幅を広げる一大プロジェクトになっています。
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■琉神マブヤー誕生秘話
ご当地ヒーローの枠を越えて活躍するマブヤーはどのような経緯で始まったのか、琉神マブヤーの仕掛人である株式会社マブイストーン代表取締役の古谷野祐一氏にお話を伺いました。
「最初のきっかけは、観光土産のオリジナルグッズを作ったことでした。グッズの認知を広げるためにテレビの展開があり、視聴者を巻き込みながら認知を広げる、という流れです」
オリジナルグッズがきっかけで生まれたヒーローを広く認知させるためにテレビ放送が始まる。ここまでは他のご当地ヒーローでも同じ流れ。
マブヤーが広く認知されたもうひとつの理由は、歌、ライブのパートが半分を締める内容になっているヒーローショーにあります。
「スーツアクター出身の人間が1人しかいないので、ショーの半分は歌でカバーできるようにプロデュースしました。沖縄の人は歌うのが好きですからね、大人も一生懸命歌っています」
テレビの主題歌の他に各キャラクターにも専用の楽曲が存在し、キャラが登場する度にライブが行われます。音楽とヒーローショーを融合させた特殊なショーは他では見られません。
2011年には渋谷公会堂でキャスト、楽曲に関わった沖縄のミュージシャン総出演のワンマン公演も大成功させています。
「企画を始めた当初から考えていたことは、このパターンを使ってアジア版を作ろうと思っていて、2年前からマレーシア版マブヤーを手掛けています」
沖縄から東京に進出した勢いは国内だけでは留まらず、海外にも進出しています。テレビを見た視聴者がオリジナルグッズを手に取る。それが話題になり、県外にも知名度が広がっていく。
その結果、沖縄をPRする役割も担うことができる。地域活性化においても、マブヤーは全国のご当地ヒーローの中でも特に成功しているのです。
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■グッズはオフィシャルショップで買おう
マブヤーは観光土産のオリジナルグッズから始まった経緯があるので、グッズ展開も規格外の品数を誇っています。
ショッピングモールの一角に現れる、巨大ショップ。
日用品からアパレル、フィギュア、三線など、実に多くのアイテムが揃っています。ちなみに、一番人気のアイテムはフィギュアだそうです。
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■期間限定! 撮影用スーツも
期間限定ではありますが、実際のマブヤーのスーツと同じ材質で作られた記念撮影用スーツ。
非売品のショーケースには、実際に撮影で使われたものや、漫画の原稿も展示されていました。マブヤーオフィシャルショップは、大人も子供も楽しめる充実度の高いショップです。
琉神マブヤーはご当地ヒーローの枠を越えた活躍を見せていますが、その根底には地域に密着したご当地ヒーローの精神性がしっかり根付いています。沖縄の方にマブヤーについて伺うと「沖縄のアイドル」と表現していました。
地元の人に愛されることは、ご当地ヒーローには必要不可欠なのです。 県外から日本全国、そして世界へ飛び出したご当地ヒーローの今後の活躍に注目です。
(文/MONOBRIGHT・出口博之)