「あの一発屋」って言うなよ!ピンクサファイアのボーカルAYAに会ってきた!
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皆さんは、PINK SAPPHIRE(ピンクサファイア)というガールズ・バンドを知っているだろうか? そう、フジテレビ系ドラマ『キモチいい恋したい!』主題歌「P.S.I LOVE YOU」(オリコン最高2位)などのヒットで知られるグループだ。
おい、そこのお前、「ああ、あの一発屋!」って言うなよ。思っていても、言うなよ。他にも、良い曲はいっぱいあるのだからな。リリースした8枚のシングルの半分はオリコン10位以内のヒットなんだからな。
『北斗の拳』のケンシロウの必殺技、北斗百裂拳風に言うならば「アタタタ」という感じで、当てまくっているんだからな。
9月22日(火)に渋谷O‐WESTにてデビュー25周年記念ライブを行う彼女たち。リハーサルのために上京したボーカルのAYAを直撃取材したぞ。心して読むのだ。
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■ SHOW-YA主催の「NAONのYAON2015」出演が話題に
常見陽平(以下、常見):お会いできて光栄です。今年の4月にSHOW-YA主催のガールズロックの祭典「NAONのYAON2015」でライブを拝見したのですよ。すごい盛り上がりでしたね。
一発屋をバカにするな! 「P.S.I LOVE YOU」の熟女バンドは実にロックだった
AYA:記事に取り上げてくれてありがとうございます。読みましたよ。
常見:すみません、「一発屋」と書いてしまい(苦笑)。
AYA:いえいえ、取り上げて頂いて嬉しかったですよ(笑)。光栄です。
常見:あのイベント自体、SHOW‐YAに、プリプリのメンバーに、中村あゆみさん、山下久美子さん、相川七瀬さん、YU‐KIさん…。
他にもたくさんの大御所が出演した上、Gacharic Spin、仮面女子など最近のグループも登場していたわけですが、PINK SAPPHIRE、すごい存在感でした。
いや、正直、出演するっていうのもあまり知らないままで行ったのですよ。「わあ、出てる!」と思って。でも、いいイベントでしたよねえ。
AYA:出演のお誘いを頂いて、ちょうどタイミングが合ったんですよね。おっしゃるとおり、すごい顔ぶれで。SHOW‐YAが演奏している時は、ステージ脇で超盛り上がっていて。スタッフからもう少し引っ込むように言われました(笑)。
常見:いや、本当、日本のガールズロックの現在・過去・未来が凝縮されていたイベントでしたね。前から行きたかったのですけど、ちょうど今年はタイミングが合い、チケットも取れたのでやっと参戦できたのです。
2014年のは、テレビで放送されたので、何度も録画して見ていたんですよ。生で「P.S.I LOVE YOU」を聴くことができて感激しました。
会場があっという間に大合唱で、盛り上がって。あの曲の一発の破壊力、すごいなと思いました。泣きました。いや、本当に。大反響だったのではないですか?
AYA:おかげ様でネットでも話題になったみたいですね。あのあと、9月22日にデビュー25周年記念ライブをやるO-WESTで一気に数百枚のフライアーがはけたんです。「NAONのYAON2015」でのライブが話題になったおかげですね。
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■ メンバーの乳がんをキッカケに再結成
常見:再結成は、メンバーの病気がキッカケだったのですよね。ギターのTakaさんが乳がんだったとか…。
AYA:はい。あれは2012年ことでした。あるファン方から人づてに連絡があったのです。「今、Takaさんは大病と闘っています。きっとAYAさんはご存知ないと思って連絡させて頂きました」という内容でした。
久々にTakaのお料理ブログを覗いてみたのですが、美味しそうなお料理の記事と併せて、闘病記があったんですね…。
常見:なるほど…。
AYA:乳がんの発見、ステージⅢB期の進行乳がん…。右乳房とリンパの全摘出、抗がん剤治療…。あの元気いっぱいのTakaが大病と闘っているという話を聞き…。久々にTakaにメールをして。他のメンバーとも随分と久々に連絡をとりました。
Takaは抗がん剤の治療をしていて、免疫力の関係で外出や人に会うのをコントロールしなくてはいけないとのことだったので、少し時間をおいてみんなで会ったんです。脱退後、初めての再会でした。約20年ぶりですね。浅草で会いました。
常見:そうだったんですね…。
AYA:その後、Takaが回復したあと、お店でセッションして。他のメンバーもきていました。そして、Takaの旦那様が その打ち上げで「一度で良いのでPINK SAPPHIREとして、ライブでTakaと演奏して欲しい」と。
みんな、ブランクが長かったですけど、Takaのためにと思い、再結成したのです。
常見:バンドブームのころに活躍していたアーチストの再結成ブームがあったわけですが、そういう文脈とはまったく関係ないわけですね。
AYA:そうなんです。私も他のメンバーも長い間、音楽から離れていたわけで。しばらく演奏していないメンバーもいたのです。でも、みんなでまたやろう、Takaのために集まろうと思って。Takaの旦那さんの期待にも応えなくちゃと思いました。
常見:それが、昨年4月の渋谷Duo Music Exchangeでのライブだったのですね。
AYA:おかげ様で、再結成ライブを発表してから、本当にたくさんのファンの方から温かいメッセージをもらったんです。全国からファンが集まってくれました。
会場の熱気もすごくて。サポートメンバーをたてたのですが、彼らも手弁当で、本当にリハのスタジオ代も割り勘で、応援してくれたんです。ライブ本番は、少しはお返しできたのですが。大盛況で、ファンからも元気をもらいました。
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■ 「あのころ」と今のPINK SAPPHIREとAYA
常見:デビューしたころの話をお伺いしてもいいですか? PINK SAPPHIREは、TBS系で放送されていた「イカ天(三宅裕司のいかすバンド天国)」に出演して、その後、デビューしているのですよね。
AYA:はい。そのときは、別の人がボーカルだったのですよね。メジャーデビューする数ヶ月前に私が加入して。いきなり、二十歳前後の女の子が集まって、訳もわからないうちに一緒にやって仲良くなって。私自身は実は、ロックを歌ったことがなかったのです。
常見:え、そうなんですか?
AYA:ずっと、ポップスよりの音楽を歌っていたのです。高校まで名古屋に住んでいて。デビューを目指して、東京の大学に進学しました。ちょうど大学の途中でデビューが決まって。
常見:いきなり、「P.S.I LOVE YOU」が大ヒットするのですよね。ドラマの主題歌になって。でも、他にもたくさんの曲が出ていますし、タイアップなどもいっぱいありましたね。当時はどうでした?
AYA:とにかく忙しかったですね。ライブもそうですし、地方のレコード店をキャンペーンでまわったり、同世代の他のメンバーと宿泊先のホテルで語り合ったり、そんな青春時代でした。
常見:私、そのころ、高校生で軽音だったのですけど、コピーしていた子たち、いましたよ。よくYAMAHAの広告でも見かけましたし、PVも何度も見ました。そして、AYAさんが脱退し、その後、解散。ご結婚されて、主婦に。海外にいたこともあったとか。
AYA:はい。完全に音楽を離れていました。一時は旦那の関係で、アメリカにいたこともありましたね。その後は関西です。大学1年生と、小学校6年生の娘がいるのですが、娘たちにはあまり当時の話をしていません。
友達の親御さんから「お母様は昔、バンドでボーカルをしていたのよ」という話を聞くようですが。今度の25周年ライブも、家族は1人もきません(笑)。
常見:そう、私、「NAONのYAON2015」で「大学生のお子さんがいる」というMCを聞いてびっくりしたんです。でも、たしかに90年代半ばにご結婚されたのなら、あり得るなあ、と。
AYA:完全に主婦をしていたのですが、子供の学校の関係で、ひょんなことから、ゴスペルを歌うことになったのですよ。あのときの体験がなかったら、いま、歌えていなかったでしょうね。
常見:さて、ついに25周年ライブですが…。思うに、こういう再結成したバンドって、昔よりも今の方が自分の意志でバンド活動しているように思うのですよ。
AYA:まったくおっしゃるとおりで、今は本当に、自分の意志で、自分たちがやりたいからやっているという感じですね。
常見:今度はワンマンなのですよね?
AYA:そう、前の一晩限りの再結成は、対バンがコルベッツで、それぞれ1時間だったのですよ。コルベッツは本当に、全力で応援してくれました。
今回はワンマンですから。様々なコーナーもあり、2時間以上やる予定です。体力などの不安はもちろんありますが、全力でやりたいと思います。
常見:ファンは音源のリリースなども期待していると思いますが?
AYA:今のところは未定です。このライブが終わったら、しばらく活動休止しますので。
常見:えっ!
AYA:いや、私も含めメンバーのうち3人が、子供の受験なので(苦笑)。
常見:なるほど(笑)。それは、大変ですね。でも、今後も活動期待しています!
AYA:みなさん、O‐WESTで会いましょう!
実は、AYAさんの子育て話、教育方針の話を聞いたのだが、それも面白すぎた。ただ、あまりにプライベートな話なので、泣く泣くボツに。でも、今度のライブにかける熱を感じた次第だ。
みんな、この25周年ライブを目撃しに行こうぜ!私も行くので、会場で会おうね!一緒に「P.S.I LOVE YOU」を歌おうぜ!
(文/常見陽平)
【25th ANNIVERSARY LIVE ~TOGETHER FOREVER~】
日時:2015.9.22(火)
場所:東京・渋谷TSUTAYA O‐WEST
OPEN 17:00 START 18:00
チケット:前売り4500円、当日5000円 ※1ドリンク別500円(各税込み)
イープラス、チケットぴあ、ローソンチケット、O-WESTにて発売中
■PINK SAPPHIRE
Vo:AYA /Bass:MIKI
Guitar:TAKA /Drums:HARUMI
<サポートメンバー>
Gt : 宮川 章彦 (corvettes)
Dr : 林 利樹(ex RABBIT)
Key : TATOO
Cho : 西野 綾