『ワンピース』に込められた「象」の秘密を暴く【黒田勇樹の妄想的語源しらべぇ】
「ワンピースの最終回を読むまでは、死なない」
と、心に誓っている俳優/ハイパーメディアフリーターの黒田勇樹です。こんにちは。
このコラムでは、子供の頃から芸能の世界で台本や台詞に触れ続け、今なお脚本家やライターとして「言葉」と向かい合っている筆者の視点から、様々な「言葉の成り立ち」について好き勝手に調べ、妄想をふくらませていこうと思います。
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■ワンピースを読んで、ふと思った
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少年ジャンプで連載中の大人気漫画『ワンピース』。今週号に出てきた新しい島「ゾウ」は、1000年生きている「象」の背中に文明が芽生えているという島なのですが、これを読んで「象」という言葉について考察しました。
どうやら、この言葉には、たくさんの謎と神秘が含まれているのです。
以前この連載で「大きいものの語源」として、「ジャンボ」という象について書きましたが、やはり「大きさ」はインパクトであり、人間はインパクトから言葉を作るのです。
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■「像」という漢字の意味
「象」に、にんべんをつけて「像」という漢字になります。「実像」や「虚像」、「偶像」など様々な「形あるもの」を表す文字です。
これは形声文字、つまり発音を表す「象」と、意味を表す「にんべん」を合わせて作られた文字ですが、筆者はそれだけではないと思っています。
「象」という字の意味を大きさだけで捉えていれば「像」の正しい使い方は「大きい人間を表す言葉」となり、例えばジャイアント馬場さんや宇梶剛士さんを指す言葉になるはずです。
それが何故、「形を表す言葉」として使われているのか? それは「象」そのものが「形」の象徴だからなのではないでしょうか?
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■「象徴」という熟語
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「象徴」という熟語にも「象」がいます。そして、まさに「形を表す言葉」として使われています。また、形から成り立つ四字熟語である「象形文字」にも、「象」が使われています。
「象徴」も「象形文字」も、「像」が形を表すのであればこちらの字でいいはずなのですが、あえて、にんべんをとっぱらって「象」。
そこで結論。筆者が思うに、キリンなんかは「首が長めの馬」みたいなものですが、やはり象はあの唯一無二の大きさとシルエット。 「象」は、人類が初めて「形」を意識した存在だったのではないかと推測します。
(文/ハイパーメディアフリーター・黒田勇樹)