「なんとなく」「別に」…断片的コミュニケーションをする若者たちの特徴を探る
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毎年、春先になると「今年の新入社員は○○世代だからな」などといった「若者論」を耳にする人も多いだろう。いつの時代も社会の変化に伴って、若者の気質も変化してきた。現代もまた新しいタイプの若者が生まれている。
まさに、その現代の若者像を捉えた一冊が『子どものまま中年化する若者たち 根拠なき万能感とあきらめの心理』だ。
しらべぇ編集部と幻冬舎plusが共同で若者の実態をシリーズで迫る第2回目のケースは…
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■ケース②:反射的・断片的なコミュニケーション
「子どものまま中年化する若者」の特徴のひとつに反射的・断片的なコミュニケーションが挙げられる。「わからない」「別に」「なんとなく」「微妙」など抽象的な言葉が圧倒的に多い。
この短く答える傾向は、メールやSNSによるコミュニケーションの普及とも関係しているだろう。
斎藤環氏によれば、現在のコミュニケーション・スキルにおいて、好ましいとされる属性は「メッセージ内容の軽さと短さ、リプライの即時性、頻繁かつ円滑なやりとり、笑いの要素、顔文字などのメタメッセージの多様、キャラの明確さなど」である。
そして、一般的に短く、浅く、身近な内容が喜ばれているようである。30代半ば以上の世代からすると会社や学校などの公的な場面での運営はまわるのかと、心配になる向きもあるだろう。
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■男性より女性に多い傾向?
「わからない」「別に」「なんとなく」「微妙」…言われたらイラッとしてしまう言葉の代表格だが、では20代は実際にこうした言葉をよく使っているのだろうか?
全国の20代男女1099名に調査したところ…
男性の6割、女性では7割弱がこうした言葉をよく使っていると回答した。反射的・断片的なコミュニケーションは世代の中では多数派で、20代においては「身につけておかないとまずいスキル」に近いのかもしれない。
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■年収別では使用率に違いも
こうした抽象的で短い言葉の使用率を年収別で切り分けてみると、「年収500万」を境に15ポイント以上の差が見られた。
20代でもビジネスで責任を持つような立場になると、「別に…」と答えているわけにもいかなくなるのだろうか。 そう考えると、反射・断片コミュニケーションを脱する可能性も見えてくる。
(文/しらべぇ編集部)
【調査概要】
方法:インターネットリサーチ「Qzoo」
調査期間:2015年9月7日~2015年9月8日
対象:全国20代の未婚男女947名
※この記事はしらべぇ編集部と幻冬舎plusが共同で執筆・調査したものです