「デートより家族の時間が大切」20代の恋愛観はとくに女性で変化のきざし?
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今どきの若者のリアルを30年以上ウォッチし続けたレポートとして話題の『子どものまま中年化する若者たち 根拠なき万能感とあきらめの心理』。
この本は親元から離れない、「わからない」「別に」「びみょう」といった断片的なコミュニケーションを取る、ゆるく働いて自分の時間を大切にするなど、あきらめきった中年のように生きる若者をとらえた1冊だ。
しらべぇ編集部と幻冬舎plusが共同で若者の実態に迫るシリーズ第4回目のケースは…
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■ケース④:「ワクワクするのは疲れます」24歳L君の場合
今の若者の生き方や特徴が表れていた大学院生のケースを紹介したい。24歳のLくん。清潔感のあるイケメンで身だしなみもきちんとしている。派手ではない。授業は全出席で寝ることもなく静かに聞いている。
コスパが良いので1日3時間・週5日、夜の時間帯にホテルの受付のバイトをしている。本人いわく「コスパは大切だ」と言う。飲み会は誘われれば行くがそれほど楽しくないという。女性との付き合いを聞くと、
「それなりに付き合います。でもワクワクするようなことはありません。ワクワクするのは疲れます。居心地の良い付き合いが、僕には向いています」
と言う。大切にしていることを聞くと、
「言われたことだけをきちんとする。人の領域には踏み込まない。リスクや責任が発生することはなるべく避けているような気がします。一言で言えば『省エネ的な生き方』ですね」
とのこと。 Lくんのケースを見ると、若い世代から熱いものが消えたように感じられる。少なくとも、熱い青年は少数派のようだ。
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■男性より女性に目立つ「異性より家族」派
異性とワクワクする時間を過ごすことを好まないLくんのような生き方。今の若者たちは、「異性とのデート」と「家族との時間」どちらを優先するのだろうか?
しらべぇ編集部では、全国の20代独身男女947名に調査を実施した。
男女差が歴然とする結果となった。男性では「家族より異性」が過半数だが「家族派」も4割に迫る。一方、女性では異性より家族との時間を優先する人が多数派だ。
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■「異性より家族派」、埼玉は千葉の2倍以上
ワクワクを志向しない傾向は、地域差も顕著にあらわれた。
「家族派」がもっとも多かったのは埼玉県で6割に迫り、北海道や兵庫県が続く。しかし、埼玉に隣接する千葉県では半分以下で、「異性派」が7割を超えたのだ。
お付き合いする異性がもしつれなく感じたら、お住まいの地域を気にしてみてもいいかもしれない。
(文/しらべぇ編集部)
【調査概要】
方法:インターネットリサーチ「Qzoo」
調査期間:2015年9月7日~2015年9月8日
対象:全国20代男女1099名
※この記事はしらべぇ編集部と幻冬舎plusが共同で執筆・調査したものです