秋葉原に続々「動物カフェ」がOPEN ―フリマガ編集長が語る未来の秋葉原とは?
2015年10月16日、東京・秋葉原にうさぎカフェ「もふれる」がオープンした。
うさぎカフェ「もふれる」にて撮影
同年5月にはフクロウカフェ「アウルの森」がオープンするなど、近頃秋葉原では“動物カフェ”が急増している。
いま秋葉原で、どのような変化が起きているのだろうか。
秋葉原にて隔月15万部発行されているフリーマガジン『1UP(ワンナップ)』の編集長、佐藤星生(さとうせい)氏に話を聞いてみた。
猫カフェ「nyanny」にて撮影
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◆ここ10年で見られる「世代交代」
佐藤氏「秋葉原は“電気街”という名前こそ残っているものの、実際には家電などを扱うお店よりメイドカフェやアニメショップなどの存在感のほうが大きいのが現状です。家電量販店やPCショップが退店した場所にゲームセンターやメイドカフェ、アニメショップが代わる現象は、この10年でよくみられる“世代交代”の形でしょう」
ふくろうカフェ「アウルの森」にて撮影
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◆メイドビジネスは「+α」が主流に
佐藤氏「アキバと聞いて思い浮かべるもののひとつは、メイド喫茶でしょう。しかし、純然たる“メイド”単体をテーマにした店舗さんは、実はかなり少ないのが現状です。海賊や忍者、マーメイドなど、コンセプトを打ち出しやすく個性も出しやすい“メイド+α”のテーマをもつのが主流になっています。メイドビジネスのこういった進化は、この4~5年で顕著ですね。
オタクではない観光客が増えたこと、特にここ数年は海外からの観光客が増加していることも影響しているのだと思います。
うさぎカフェやフクロウカフェなど、動物をテーマにしたカフェが増えた理由のひとつも同じように考えられます。動物は、触れる人の言語など関係ないので、国籍を超えて老若男女にウケるコンテンツとしてはバッチリなのかもしれません」
――これからの秋葉原はどうなると思いますか?
佐藤氏「この街は不思議なもので、これまで秋葉原の代名詞になってきた電子部品、オーディオ、PC、家電、メイド、ゲーム、アニメなどの文化が、まるで地層のように見事に重なって繁栄・継続しています。つまり、街全体が廃れる時代がないんです。次々と新たなトレンドが生まれ、発信し続けています。
今年に入ってから外国人観光客向けの免税店が以前よりさらにオープンしていて、今後はよりインターナショナルな方向に街全体が進化していくと考えています。
とはいいつつも、現状は英語しか使えない方にとって不自由がある街。無料で使えるWi‐Fiエリアも少なく、まだ“外国人に親切な街”とは言い切れません。
現に、『秋葉原に来たけど、どこに行けば良いのかわからない。英語を話せるスタッフがいるみたいだから、あのお店に行ってみよう』という外国人も多く、街全体を回遊できてはいません。
そういった点をクリアできれば、東京で一番の観光地のひとつになっていくと思います」
(文/しらべぇ編集部・マツナガシズカ)