「語呂合わせ」で言葉をひねり出すと世界は面白い【黒田勇樹の妄想的語源しらべぇ】
新しい彼女と付き合うときには、必ず電話番号を暗記する俳優/ハイパーメディアフリーターの黒田勇樹です。こんにちは。充電切れたり水没したり、携帯も意外と信用できませんからね。
このコラムでは、子供の頃から芸能の世界で台本や台詞に触れ続け、今なお脚本家やライターとして「言葉」と向かい合っている筆者の視点から、様々な「言葉の成り立ち」について好き勝手に調べ、妄想をふくらませていこうと思います。
■日常生活に潜む語呂合わせトラップ
元素記号の「スイヘーリーベボクノフネ」や、ルート2の「ヒトヨヒトヨニヒトミゴロ」などで知られる、有名な暗記方法「語呂合わせ」。
数字や記号を覚える際にとても有効なこの方法ですが、あまり意識しすぎると「どんな数字を見ても語呂合わせしてしまう病」にかかる可能性があります。
筆者は食肉加工工場で働いていた頃、ひたすらひき肉の重さを計って袋に詰めるという作業を担当していたことがあります。
キロ単位の肉を計っていてもデジタルはかりにはグラム単位で表示されるので、 「5963(ゴクローサン)」 「8946(ハヤクシロ)」 などと、延々続く単純作業の中で、段々とはかりに話しかけられているような気分になっていたことが、思い出されます。
関連記事:霜降りから赤身の短角牛まで!肉バカ研究家が「お取り寄せ肉」の最適解を検証
■電話番号も気が抜けない
©iStock/ismagilov
電話番号の暗記に関しても、数字の組み合わせが多く桁数も多いため、こじつけになることもあり「6464059(ムシムシオウコク)」 などという、まるで存在しない王国が誕生したこともあります。
蒸しているんでしょうか? 虫が多いのでしょうか? 一切他人に興味を持たない「無視無視王国」なのでしょうか?
筆者は、ムシムシ王国へ電話をする度に、「どんな王国なのだろう?」と架空の王国に思いを馳せてしまい、電話の内容が頭に入ってこないという症状に悩まされました。
語呂合わせは出来る限り、脳内で映像化しやすかったり、意味が通るものが好まれますが、こじつけた語呂合わせを無理やり映像化すると、こういう事態になるのでお気をつけください。
(文/ハイパーメディアフリーター・黒田勇樹)