「とっておき」という言葉で社会がイイ感じになる?
なかなか物が捨てられない俳優/ハイパーメディアフリーターの黒田勇樹です、こんにちは。
先日、15才くらいの頃に受けた雑誌の取材のグラビアが出てきたのですが、その日着ていたトレーナーと同じトレーナーを着ていました。現在33才です。
このコラムは、子供の頃から芸能の世界で台本や台詞に触れ続け、今なお脚本家やライターとして「言葉」と向かい合っている筆者の視点から、様々な「言葉の成り立ち」について好き勝手に調べる「妄想的」な語源しらべぇです。
■なんか「特別」な感じがする言葉
©iStock/ amazingmikael
「とっておき」という言葉の醸し出す「貴重」感について、考えてみました。 なぜ「とっておき」は、あれほどまでに貴重に感じるのか? それは「とっておいた」からです。
① すっごい面白いギャグ
② 滅多にやらないギャグ
③ とっておきのギャグ
さあ、どれが見たいですか!? 多くの人は③の「とっておきが見たい」と、言うのではないでしょうか? なんていったってとっておいてあったんですから、なにか重要な理由があるとしか感じられません。
その秘密を知るためにも、人はとっておきを求めるのです。
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■「とっておきシステム」の転用
この「とっておき」に感じる「お得感」を、教育や経済活動に結び付けられないかと考えてみたところ、2つの新語が完成したのでご報告させて頂きます。
それは「やっておき」と「もっておき」です。宿題を出すときは「絶対にこの宿題を明日までにやりなさい!」と、怒るのではなく、
「この宿題は、やっておきだよ~」
と柔らかく言ったほうが、子供たちも「やっておかなきゃ!」と思うのではないでしょうか?
折りたたみ傘を売る時にも「雨が降ったときに、ないと困りますよ!」などと言われたり、「柄がとても可愛いですよ!」と、店員の感性を押し付けられるよりも
「この傘、もっておきですよ!」
と、言われたほうが「そうだ!もっておかなきゃ!」とならないでしょうか? この記事が公開されることで「やっておき」と「もっておき」ブームが来る日も近いと、筆者は考えています。
(文/ハイパーメディアフリーター・黒田勇樹)