【やや閲覧注意】イノシシの骨でラーメンを作ったら美味しい?
魚介系スープに鶏がらスープ、とんこつスープなど、ラーメンには様々なタイプのスープが存在する。だが、いままで「イノシシの骨」でスープを作り、ラーメンにすることはほとんど無かった。
なぜならばイノシシは当たり前だが豚と違って飼育ができず、狩猟できたとしてもその後の処理が適切でないと臭みが回り、とても料理に使えないからだ。
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■猟師で料理人の男性がラーメンを作る
しかし、そんななかイノシシの骨でスープを作り、実際に「イノシシラーメン」を作ってしまった人物がいる。それは熊本県菊池市でピザ店「イルフォルノドーロ」を営む男性・原田将和さん。
彼は料理だけでなく、罠や猟銃の免許を取得している現役の猟師である。そんな彼は最近、大量にイノシシを狩ることができたそうで、実際にイノシシでラーメンを作ってみたらしい。
料理の工程としてまずは仕留めたイノシシの皮をはぎ、枝肉の状態にする。その後骨と肉に分け、とんこつスープを作るように鍋でイノシシ骨を煮て行くのだが…ここで予想外の事件が発生!
イノシシの骨はとんこつと比べて石のように硬く、煮込んでもなかなか出汁が出てこない。また、脂肪分が少ないため、何かで油を足さなければいけない。コレは長期戦になりそうだ…。
その後煮込むこと数時間、骨がやや崩れるようになり、ダシが出てキター! さっそく味見してみると、超絶美味! とんこつスープと比べて出汁が澄んでいるのに、旨味はソレをはるかに超えている。
だが、次に立ちはだかる壁は「油分」である。コレだけだと脂の旨味に欠けるため、それを補うべくお店にあった生ハムの脂とネギで、『生ハムネギ油』を作ることに。油分は足され、問題は一気にクリアだ!
あとは麺を茹で、醤油とイノシシ出汁でスープを作り、別で作っておいたイノシシ肉の角煮をのせれば『熊本風イノシシラーメン』の完成! 気になるお味の感想は、以下のとおりである。
「イノシシの野趣あふれる旨味と、生ハムから出た塩味の効いた油分をネギの香味が優しく包み、一まとめにしてくれている。
豚骨より上品な香りで、まろやかなのにしっかりとした余韻のあるスープをまとった麺をすすれば、美味しい以外の言葉は出てこないでしょう!
猟師しかできないイノシシラーメン、まるで“お口のなかでくまモンとイノシシが怪獣大戦争や~”といったかんじで美味しゅうございました」
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■イノシシラーメンはまだ伸びしろアリ
――といった感じ。ちなみに原田さんいわく「さらに数時間炊けば、もっと旨味のあるスープがとれたと思います」とのこと。イノシシラーメンのポテンシャルはまだまだ秘められていそうだ。
この「イノシシラーメン」、豚骨や鳥ガラと比べて作るのはかなり難しいが、知人に猟師がいる人は一度チャレンジしても面白いかもしれないぞ。
(取材・文/しらべぇ編集部・雨間ゆうすけ)