出てこい新スター!プロ野球選手のMLB移籍はポジティブ対応で
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24日、広島カープのエース前田健太が球団にポスティングシステムによるメジャー挑戦を直訴したことが判明し、相次ぐ日本人選手の海外移籍に懸念の声が上がっている。
■移籍は確実な状況?
今シーズン最多勝と沢村賞を受賞した前田健太には、既にアリゾナ・ダイヤモンドバックス、ニューヨーク・ヤンキース、シカゴ・カブスなどが興味を示しており、入札は確実な状況だ。
そうなると広島球団側の対応が注目されるが、現在のFAシステムでは海外球団に移籍した場合の補償システムが整備されておらず、2017年に前田がFAでメジャーに移籍した場合、広島は一銭も手にすることができない。
従って球団も高い成績を残し、価値の高まっている今オフに移籍を容認するのではないかとの見方が有力となっている。
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■年俸は14億円前後か
気になってくるのは前田健太の年俸だ。メジャーリーグへの扉を開いた野茂英雄は1億4000万円から980万円と言う大減俸でマイナー契約だったが、野茂やその他日本人投手の活躍で評価が高まり、現在は軒並み高年俸での移籍となっている。
ただし、日本人投手は昨今、ダルビッシュ有や田中将大など「投げ過ぎ」による肩や肘の故障が相次いでおり、甲子園大会に出場している前田についてもその可能性が指摘され、長期契約には至らないのではないかとの見方もある。
いずれにしても前田の年俸も日本と比較すると法外な金額となることは確実で、アメリカのメディアは14億円前後になるのではないかと報じ、契約年数は5年が有力視されている。
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■ポジティブに受け止めるべき?
日本で突出した選手がメジャーリーグに移籍する流れは今後も続くと思われる。160キロの速球を武器に活躍する北海道日本ハムの大谷翔平はアメリカ球界にもその名が知れ渡っており、将来的な移籍は確実だ。
ファンとしては少々複雑だが、本人の夢だけに致し方ないというところだろう。カープは黒田博樹も引退を匂わす発言をしており、両エースが抜ける可能性がある。
しかし、「代わりの選手」は必ず出てくるもので、広島カープには大瀬良大地や九里亜蓮など、有望な若手が控えている。
「アメリカに行ってしまう」と考えるよりも、「送り出す」と言う意識を持ち、新世代のスター登場を楽しみにするとともに、黒田のように送り出した選手が将来的に帰ってくることを待ったほうがいいのかもしれない。
(取材・文/しらべえ編集部・佐藤 俊治)